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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.08459
Sheets & Deming (2017)
Average Albedos of Close-in Super-Earths and Neptunes from Statistical Analysis of Long Cadence Kepler Secondary Eclipse Data
(長期間のケプラーの二次食データの統計的解析からの近接スーパーアースとネプチューンの平均アルベド)
候補天体のグループの平均アルベドを検出するため.ケプラーで検出された惑星候補の複数の short cadence 光度曲線を平均する手法を,long cadence データに適用した.
今回の解析では,惑星半径で 1 - 2 地球半径,2 - 4 地球半径,4 - 6 地球半径の 3 グループに分割した.
平均では,全ての 3 グループは short cadence データの結果から示唆されるよりも暗い (アルベドが小さい) という結果が得られたが,他の多くのホットジュピター程は暗くないという結果になった.
3 グループの平均の幾何学的アルベドはそれぞれ,1 - 2 地球半径のものが 0.11 ± 0.06,2 - 4 地球のものが 0.05 ± 0.04,4 - 6 地球半径のものは 0.11 ± 0.08 となった.この値は,中心星から受け取った熱が惑星全体に一様に分配されている場合の値である.
もし熱の再分配が非効率的な場合は,推定されるアルベドは幾分か低くなる.これは,惑星からの光 (反射光 + 惑星自身の熱放射) に対して,惑星自身の熱放射の寄与が大きくなると考えられるからである.
また,新しく同定された偽陽性の Kepler Object of Interest (KOI) 天体である KOI 1662.01 は,実際は食連星であり,惑星由来のシグナルではないことを確認した.さらに,新しく同定された惑星候補 KOI 4351.01 も食連星であることを確認した.
これに加え,ケプラー4b の二次食の測定を,~ 0.7 の位相で ~ 7.50 ppm で測定した,この結果は,この惑星の軌道の離心率が大きいことを示唆する (※注釈:完全な円軌道の場合,位相が 0 でトランジット,0.5 で二次食を起こすはずであるため,二次食が起きたのが ~ 0.7 ということは軌道が細長い楕円形をしていると考えられる).
arXiv:1708.08459
Sheets & Deming (2017)
Average Albedos of Close-in Super-Earths and Neptunes from Statistical Analysis of Long Cadence Kepler Secondary Eclipse Data
(長期間のケプラーの二次食データの統計的解析からの近接スーパーアースとネプチューンの平均アルベド)
概要
ケプラーによって検出された系外惑星候補天体のカタログにおける,小サイズの近接惑星の平均アルベドを求めるための研究の結果を報告する.候補天体のグループの平均アルベドを検出するため.ケプラーで検出された惑星候補の複数の short cadence 光度曲線を平均する手法を,long cadence データに適用した.
今回の解析では,惑星半径で 1 - 2 地球半径,2 - 4 地球半径,4 - 6 地球半径の 3 グループに分割した.
平均では,全ての 3 グループは short cadence データの結果から示唆されるよりも暗い (アルベドが小さい) という結果が得られたが,他の多くのホットジュピター程は暗くないという結果になった.
3 グループの平均の幾何学的アルベドはそれぞれ,1 - 2 地球半径のものが 0.11 ± 0.06,2 - 4 地球のものが 0.05 ± 0.04,4 - 6 地球半径のものは 0.11 ± 0.08 となった.この値は,中心星から受け取った熱が惑星全体に一様に分配されている場合の値である.
もし熱の再分配が非効率的な場合は,推定されるアルベドは幾分か低くなる.これは,惑星からの光 (反射光 + 惑星自身の熱放射) に対して,惑星自身の熱放射の寄与が大きくなると考えられるからである.
また,新しく同定された偽陽性の Kepler Object of Interest (KOI) 天体である KOI 1662.01 は,実際は食連星であり,惑星由来のシグナルではないことを確認した.さらに,新しく同定された惑星候補 KOI 4351.01 も食連星であることを確認した.
これに加え,ケプラー4b の二次食の測定を,~ 0.7 の位相で ~ 7.50 ppm で測定した,この結果は,この惑星の軌道の離心率が大きいことを示唆する (※注釈:完全な円軌道の場合,位相が 0 でトランジット,0.5 で二次食を起こすはずであるため,二次食が起きたのが ~ 0.7 ということは軌道が細長い楕円形をしていると考えられる).
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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.07858
Schwamb et al. (2017)
Planet Four: Terrains - Discovery of Araneiforms Outside of the South Polar Layered Deposits
(Planet Four: Terrains - 南極層鉱床の外のクモ状地形の発見)
P4T は市民参加型のオンライン科学プロジェクトである.P4T では,火星探査機のマーズ・リコネッサンス・オービターが取得し,一般公開されている Context Camera (CTX) 画像の視覚的識別の作業に一般市民が参加している.
P4T に参加するボランティアは特に,
1) araneiforms (“spiders” として知られている,中心の穴と放射状に広がる溝からなる特徴的な地形)
2) South Polar Residual Cap (SPRC) の,侵食によって形成された窪地,溝 (トラフ),メサ,尾根,準円状の穴など (これらをまとめて “Swiss sheese terrain” ,スイスチーズ状地形と呼ぶ)
3) クレーター
といった地形をを探し出す作業を行っている.
ここでは,緯度 -75°N 以下の南極地域の 11%をカバーする 90 枚の CTX 画像において,信頼性の高い,古典的なクモ状の araneiforms とスイスチーズ状地形の分布を紹介する.
信頼性の高いクモ状地形のサンプル中には,確信を持ってスイスチーズ状地形だと識別される場所は存在しなかった.
過去に報告されているクモ状地形は,存在する場所は南極層鉱床 (South Polar Layered Deposits, SPLD) の中に限られていると報告されていた.しかし今回の研究では,SPLD 領域の外における初めてのクモ状地形を同定した.
この地形を,高分解能の High Resolution Imaging Science Experiment (HiRISE) 撮像観測で確認した.その結果,Amazonian と Hesperian 極地ユニット (アマゾニス領域とヘスペリア領域) と,Early Noachian 高原ユニット (ノアキス領域) で araneiforms (クモ状の地形) を発見した,
高い信頼度で同定された araneiforms のうち 75%は, SPLD の場所に存在した.現在の観測と解析では,これらが火星の南極領域における araneiforms の形成に貢献する地質ユニットであるかどうかは判断できない.
今回の結果は,これらの地形が二酸化炭素ジェットによって形成されるというシナリオと整合的なものである.これは,季節性の二酸化炭素氷シートの下の表面の脆弱さを利用して,多くの季節にわたってレゴリスに areneiforms の溝を形作っているというシナリオである.今回同定された新しい領域は,二酸化炭素ジェットプロセスにおける溝形成に必要な条件を調査するためのサンプルとして用いることが出来る.
"Araneiform" とは聞き慣れない単語ですが,araneid + -form で「クモのような形状を持ったもの」という意味になるようです.
arXiv:1708.07858
Schwamb et al. (2017)
Planet Four: Terrains - Discovery of Araneiforms Outside of the South Polar Layered Deposits
(Planet Four: Terrains - 南極層鉱床の外のクモ状地形の発見)
概要
Planet Four: Terrains (P4T) プロジェクトによる,火星の南極領域に季節的に形成された地形の系統的なマッピング結果について報告する.P4T は市民参加型のオンライン科学プロジェクトである.P4T では,火星探査機のマーズ・リコネッサンス・オービターが取得し,一般公開されている Context Camera (CTX) 画像の視覚的識別の作業に一般市民が参加している.
P4T に参加するボランティアは特に,
1) araneiforms (“spiders” として知られている,中心の穴と放射状に広がる溝からなる特徴的な地形)
2) South Polar Residual Cap (SPRC) の,侵食によって形成された窪地,溝 (トラフ),メサ,尾根,準円状の穴など (これらをまとめて “Swiss sheese terrain” ,スイスチーズ状地形と呼ぶ)
3) クレーター
といった地形をを探し出す作業を行っている.
ここでは,緯度 -75°N 以下の南極地域の 11%をカバーする 90 枚の CTX 画像において,信頼性の高い,古典的なクモ状の araneiforms とスイスチーズ状地形の分布を紹介する.
信頼性の高いクモ状地形のサンプル中には,確信を持ってスイスチーズ状地形だと識別される場所は存在しなかった.
過去に報告されているクモ状地形は,存在する場所は南極層鉱床 (South Polar Layered Deposits, SPLD) の中に限られていると報告されていた.しかし今回の研究では,SPLD 領域の外における初めてのクモ状地形を同定した.
この地形を,高分解能の High Resolution Imaging Science Experiment (HiRISE) 撮像観測で確認した.その結果,Amazonian と Hesperian 極地ユニット (アマゾニス領域とヘスペリア領域) と,Early Noachian 高原ユニット (ノアキス領域) で araneiforms (クモ状の地形) を発見した,
高い信頼度で同定された araneiforms のうち 75%は, SPLD の場所に存在した.現在の観測と解析では,これらが火星の南極領域における araneiforms の形成に貢献する地質ユニットであるかどうかは判断できない.
今回の結果は,これらの地形が二酸化炭素ジェットによって形成されるというシナリオと整合的なものである.これは,季節性の二酸化炭素氷シートの下の表面の脆弱さを利用して,多くの季節にわたってレゴリスに areneiforms の溝を形作っているというシナリオである.今回同定された新しい領域は,二酸化炭素ジェットプロセスにおける溝形成に必要な条件を調査するためのサンプルとして用いることが出来る.
"Araneiform" とは聞き慣れない単語ですが,araneid + -form で「クモのような形状を持ったもの」という意味になるようです.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.07909
Turner et al. (2017)
Investigating the physical properties of transiting hot Jupiters with the 1.5-m Kuiper Telescope
(1.5 m カイパー望遠鏡によるトランジットホットジュピターの物理特性の調査)
これら 11 個の惑星のうち,CoRoT-12b,HAT-P-37b,WASP-60b については,これらの惑星の発見報告以降,初めてのフォローアップ観測である.これに加えて,WASP-80b と WASP-103b の初めての近紫外線でのトランジット観測の結果も報告する.
ここでの解析の結果を過去の研究と比較し,トランジット時刻変動 (transit timing variation, TTV) の有無を調査した,また,トランジット深さの波長依存性についても調べた.
TTV は惑星系における三体目の天体を探査するのに使うことができ,惑星半径の波長依存性からは,系外惑星の大気の特性に制約を与えるのに使うことができる.
解析の結果,WASP-103b と XO-3b について,大気中での散乱の証拠と思われるトランジット深さの波長による違いを検出した.HAT-P-37b の B バンドでのトランジット深さは,近赤外線領域でのトランジット深さよりも小さい値となり,これは TiO (酸化チタン) や VO (酸化バナジウム) による吸収を示唆する.
これらの変動は 2 - 4.6 σ の確度で検出されており,これらの結果を確認するためにはフォローアップ観測が必要である.
加えて,HAT-P-5b, HAT-P-12b, WASP-2b, WASP-24b, WASP-80b の 5 惑星では,可視光の波長帯で平坦な透過スペクトルが検出された.これはこれらの惑星大気中には雲が存在することを示唆する結果である.
観測した全ての天体において,軌道周期と天体暦を計算して更新した.
WASP-80b を除き,今回の解析では TTV は検出されなかった.WASP-80b での検出については TTV の存在を確定させるためにさらなるフォローアップ観測が必要である.
観測は全て,アリゾナ・ツーソン付近にある Mt. Bigelow の,アリゾナ大学の Steward Observatory の 1.55-m Kuiper Telescope を用いて行われた.観測に用いたバンドは,Bessel U (303 - 417 nm),Harris B (360 - 500 nm),Harris R (550 - 900 nm) である.
Harris R フィルターでトランジットを観測した.惑星半径と中心星の半径比 (Rp/Rstar) は,発見報告論文での値より 4.6 σ 大きいものであった.
惑星の物理パラメータは Gillon et al. (2010) の報告とよく一致した.惑星半径は過去の推定の 1.3 σ の範囲内,質量は 1 σ の範囲内であった..
Southworth et al. (2012) での観測によって惑星の存在が確定した.また,波長によって惑星の半径が異なることが分かっており,レイリー散乱単独から予想されるよりも大きな半径が,U バンドでの観測で検出されている.これは,著者によると未知の機器の系統による誤差である可能性が示唆されている.
今回はこの惑星のトランジットを,Bessel U フィルターで観測した.
物理パラメータは過去の報告とよく一致した.U バンドでの惑星半径は,350 - 733 nm での観測からの重み付け平均した惑星半径と 1 σ 内で整合する.なお今回の U バンドでの観測における誤差は,Southworth et al. (2012) での観測結果が,彼らが示唆するように未知の系統誤差に起因するかどうかを判断するには大きすぎるものであった.
惑星の軌道周期は,過去の推定とよく一致した.
Sing et al. (2016) の観測では,青から近赤外の波長に向かって強い可視光の散乱スロープが発見された.この結果は,ハッブル宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡を用いた観測を元にしている.
今回はこの惑星のトランジットを Harris B フィルターで観測した.
得られた半径比 Rp/Rstar は過去の観測と 1 σ 以内の範囲であった.
スペクトルは,大気の高高度に雲を持つとするものと整合的な結果であった.また Line et al. (2013) の結果とも一致した.惑星の軌道周期は Mallonn et al. (2015) での報告と近い値であった.
この惑星の Transiting Exoplanet Monitoring Project (TEMP) による初めてのフォローアップ観測では,TTV の兆候は見られなかった (Wang et al. 2017).
今回の観測は Harris R フィルターを用いて行った.
観測の結果,半径比 Rp/Rstar は発見報告論文での値より 3.4 σ 大きい値が得られた.この違いの原因を解明するためには,さらなる観測が必要である.
1.169 木星質量,1.178 木星半径を持つホットジュピターであり,軌道周期は 2.797436 日である.このパラメータはフォローアップ観測によって確定したものである (Maciejewski et al. 2016).
今回はこの惑星を Harris B と R フィルターで観測した.
半径比 Rp/Rstar は各フィルターで 1.7 σ 異なる値となった.R バンドでの値の方が大きくなった.また B バンドでの半径比は,近赤外での半径比よりも 2.85 σ 小さい値となった.
各フィルター間での差異が現実のものか,誤差によるものかを区別するには,さらなる観測が必要である.その他の物理パラメータは,過去の結果の 1 σ の範囲内であった.
今回は Harris B で観測した.
物理パラメータとトランジット深さは,過去の結果の 1 σ 以内で一致した.
今回は Harris R フィルターで 2 回のトランジットを観測し,それぞれを解析した.
半径比 Rp/Rstar の重み付け平均値は,過去の R バンド観測 (Southworth et al. 2014) と 4 σ で不一致であった.この違いの原因は不明であり,将来のさらなる観測が必要である.
その他の導出したパラメータは過去の推定と概ね一致した,しかし惑星半径と平衡温度はそれぞれ 1.4 σ と 1.9 σ 異なる値となった.
今回は Harris B で観測を行った.この観測は,この惑星の検出後初めてのフォローアップ観測である.
観測中に自動追尾装置が短時間故障した影響で,トランジット光度曲線に穴が生じている.しかし,過去のパラメータと 1 σ 以内で一致するパラメータを得た.B バンドでの半径比 Rp/Rstar は,発見報告での半径比より 1.3 σ 大きい.
過去の観測では,大気の透過スペクトルは厚い雲と大気のヘイズが存在するとするものと整合的であった (Fukui et al. 2014).
今回はこの惑星のトランジットを Bessel U フィルターで観測した.
荒れた天候の影響により追尾が一時故障した影響で,トランジット光度曲線に穴が生じている.しかし過去の結果に近い物理パラメータが導出された.
TTV と思われるシグナル検出したが,確認のためには更なる観測が必要である.
この系には,暗く低温で,近距離 (射影距離 0.242 arcsec) にある WASP-103 の伴星がある (Wo ̈llert & Brandner 2015).
過去の観測では,青い側の可視光の波長で惑星半径が大きくなっていることが報告されている.しかし Southworth & Evans (2016) では,近傍の伴星の混入を考慮したとしても,大気中での散乱はこの観測結果の主要な原因にはならないと指摘している.
今回は Bessel U で観測を行った.
このフィルターでの半径比 Rp/Rstar は,発見報告論文での値と 2.1 σ 異なるものであった.
その他のパラメータは過去の観測と 1 σ 以内で一致した,軌道周期も過去の報告と一致した.
半径比の近赤外線と今回の紫外線での値の違いは,Southworth & Evans (2016) で報告されたものと一致する.
Hebrard et al. (2008) によると,中心星 XO-3 の自転軸は XO-3b の公転軸とずれていることが指摘されている.
今回は Harris B フィルターで観測した.
物理パラメータは過去の報告と一致した.
半径比 Rp/Rstar は V バンドでの過去の観測 (Winn et al. 2008) より 2 σ 大きいものであった.
CoRoT-12b, HAT-P-33b, HAT-P-37b, WASP-103b, XO-3b については,トランジット深さの波長による違いを検出した.これは,大気中のエアロゾルもしくはレイリー散乱,あるいは吸収の存在を示唆している.
HAT-P-37b は B バンドでのトランジット深さが,赤い波長や近赤外線でのトランジット深さよりも小さい値を示した.このような傾向は,Evans et al. (2016) によって WASP-121b で報告されているのみである.Evans et al. (2016) では,この特徴は TiO/VO の吸収によるものであると主張している,これが HAT-P-37b の大気中でも起きている可能性がある.しかし TiO/VO が吸収源かどうかはさらなる理論モデル化が必要.
HAT-P-5b,WASP-80b,WASP-103b の近紫外線観測では,トランジット光度曲線の非対称性は見られなかった.この結果は,先行研究での 19 例の他の惑星の地上からの近紫外線観測の結果と整合的である (Southworth et al. 2012など).さらに Turner et al. (2016) の CLOUDY プラズマシミュレーションコードによる理論モデルでは,吸収を引き起こす可能性のある物理現象に関係なく,広帯域の近紫外線で非対称トランジットは形成されないことが指摘されている.
arXiv:1708.07909
Turner et al. (2017)
Investigating the physical properties of transiting hot Jupiters with the 1.5-m Kuiper Telescope
(1.5 m カイパー望遠鏡によるトランジットホットジュピターの物理特性の調査)
概要
11 個のトランジットするホットジュピター (CoRoT-12b, HAT-P-5b, HAT-P-12b, HAT-P-33b, HAT-P-37b, WASP-2b, WASP-24b, WASP-60b, WASP-80b, WASP-103b, XO-3b) の測光観測データの解析について報告する.この観測と解析より,これらの惑星のパラメータの更新と,惑星大気についての情報に制約を与える.これら 11 個の惑星のうち,CoRoT-12b,HAT-P-37b,WASP-60b については,これらの惑星の発見報告以降,初めてのフォローアップ観測である.これに加えて,WASP-80b と WASP-103b の初めての近紫外線でのトランジット観測の結果も報告する.
ここでの解析の結果を過去の研究と比較し,トランジット時刻変動 (transit timing variation, TTV) の有無を調査した,また,トランジット深さの波長依存性についても調べた.
TTV は惑星系における三体目の天体を探査するのに使うことができ,惑星半径の波長依存性からは,系外惑星の大気の特性に制約を与えるのに使うことができる.
解析の結果,WASP-103b と XO-3b について,大気中での散乱の証拠と思われるトランジット深さの波長による違いを検出した.HAT-P-37b の B バンドでのトランジット深さは,近赤外線領域でのトランジット深さよりも小さい値となり,これは TiO (酸化チタン) や VO (酸化バナジウム) による吸収を示唆する.
これらの変動は 2 - 4.6 σ の確度で検出されており,これらの結果を確認するためにはフォローアップ観測が必要である.
加えて,HAT-P-5b, HAT-P-12b, WASP-2b, WASP-24b, WASP-80b の 5 惑星では,可視光の波長帯で平坦な透過スペクトルが検出された.これはこれらの惑星大気中には雲が存在することを示唆する結果である.
観測した全ての天体において,軌道周期と天体暦を計算して更新した.
WASP-80b を除き,今回の解析では TTV は検出されなかった.WASP-80b での検出については TTV の存在を確定させるためにさらなるフォローアップ観測が必要である.
観測は全て,アリゾナ・ツーソン付近にある Mt. Bigelow の,アリゾナ大学の Steward Observatory の 1.55-m Kuiper Telescope を用いて行われた.観測に用いたバンドは,Bessel U (303 - 417 nm),Harris B (360 - 500 nm),Harris R (550 - 900 nm) である.
詳細な結果
CoRoT-12b
この惑星の検出は CoRoT 衛星にて行われ,その後地上からの視線速度観測にて存在が確認された (Gllon et al. 2010).この惑星は,一般的なモデルで説明が可能な程度の半径を持つ,膨張したホットジュピターである.Harris R フィルターでトランジットを観測した.惑星半径と中心星の半径比 (Rp/Rstar) は,発見報告論文での値より 4.6 σ 大きいものであった.
惑星の物理パラメータは Gillon et al. (2010) の報告とよく一致した.惑星半径は過去の推定の 1.3 σ の範囲内,質量は 1 σ の範囲内であった..
HAT-P-5b
この惑星は HATNet によって,やや金属量が豊富な恒星の周りに発見された (Bakos et al. 2008).Southworth et al. (2012) での観測によって惑星の存在が確定した.また,波長によって惑星の半径が異なることが分かっており,レイリー散乱単独から予想されるよりも大きな半径が,U バンドでの観測で検出されている.これは,著者によると未知の機器の系統による誤差である可能性が示唆されている.
今回はこの惑星のトランジットを,Bessel U フィルターで観測した.
物理パラメータは過去の報告とよく一致した.U バンドでの惑星半径は,350 - 733 nm での観測からの重み付け平均した惑星半径と 1 σ 内で整合する.なお今回の U バンドでの観測における誤差は,Southworth et al. (2012) での観測結果が,彼らが示唆するように未知の系統誤差に起因するかどうかを判断するには大きすぎるものであった.
惑星の軌道周期は,過去の推定とよく一致した.
HAT-P-12b
この惑星は,低密度ので土星より軽い質量を持つ (Hartman et al. 2009).Sing et al. (2016) の観測では,青から近赤外の波長に向かって強い可視光の散乱スロープが発見された.この結果は,ハッブル宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡を用いた観測を元にしている.
今回はこの惑星のトランジットを Harris B フィルターで観測した.
得られた半径比 Rp/Rstar は過去の観測と 1 σ 以内の範囲であった.
スペクトルは,大気の高高度に雲を持つとするものと整合的な結果であった.また Line et al. (2013) の結果とも一致した.惑星の軌道周期は Mallonn et al. (2015) での報告と近い値であった.
HAT-P-33b
この惑星は,光度ゆらぎの大きい恒星を公転する膨張ホットジュピターである (Hartmann et al. 2011).恒星の大きなゆらぎは,対流の非一様性が起源だと思われる.この大きなゆらぎのため,惑星の半径と質量 (軌道離心率と恒星のパラメータに依存する) はあまり良い制度では分かっていない.惑星の軌道が円軌道の場合は半径は 1.7 木星半径,離心軌道であったは 1.8 木星半径となる.この惑星の Transiting Exoplanet Monitoring Project (TEMP) による初めてのフォローアップ観測では,TTV の兆候は見られなかった (Wang et al. 2017).
今回の観測は Harris R フィルターを用いて行った.
観測の結果,半径比 Rp/Rstar は発見報告論文での値より 3.4 σ 大きい値が得られた.この違いの原因を解明するためには,さらなる観測が必要である.
HAT-P-37b
この惑星は HATNet によるトランジットサーベイで同定され,高分解能分光観測とさらなる測光観測によって存在が確定した (Bakos et al. 2012).1.169 木星質量,1.178 木星半径を持つホットジュピターであり,軌道周期は 2.797436 日である.このパラメータはフォローアップ観測によって確定したものである (Maciejewski et al. 2016).
今回はこの惑星を Harris B と R フィルターで観測した.
半径比 Rp/Rstar は各フィルターで 1.7 σ 異なる値となった.R バンドでの値の方が大きくなった.また B バンドでの半径比は,近赤外での半径比よりも 2.85 σ 小さい値となった.
各フィルター間での差異が現実のものか,誤差によるものかを区別するには,さらなる観測が必要である.その他の物理パラメータは,過去の結果の 1 σ の範囲内であった.
WASP-2b
この惑星は WASP サーベイで検出され,SOPHIE 分光器での視線速度観測で確定した短周期ホットジュピターである (Collier Cameron et al. 2007).今回は Harris B で観測した.
物理パラメータとトランジット深さは,過去の結果の 1 σ 以内で一致した.
WASP-24b
この惑星は,WASP サーベイで検出され,追加の測光観測と視線速度測定で存在が確定したホットジュピターである (Street et al. 2010).ロシター効果の測定も行われており,順行で揃った公転軸を持っていることが示唆されている (Simmpson et al. 2011).今回は Harris R フィルターで 2 回のトランジットを観測し,それぞれを解析した.
半径比 Rp/Rstar の重み付け平均値は,過去の R バンド観測 (Southworth et al. 2014) と 4 σ で不一致であった.この違いの原因は不明であり,将来のさらなる観測が必要である.
その他の導出したパラメータは過去の推定と概ね一致した,しかし惑星半径と平衡温度はそれぞれ 1.4 σ と 1.9 σ 異なる値となった.
WASP-60b
この惑星は WASP-North で同定され,視線速度測定とフォローアップ測光観測で存在が確定した (Hebrard et al. 2013).金属欠乏星を公転する,理論予測値よりずっと小さな半径を持つコンパクトな惑星である.今回は Harris B で観測を行った.この観測は,この惑星の検出後初めてのフォローアップ観測である.
観測中に自動追尾装置が短時間故障した影響で,トランジット光度曲線に穴が生じている.しかし,過去のパラメータと 1 σ 以内で一致するパラメータを得た.B バンドでの半径比 Rp/Rstar は,発見報告での半径比より 1.3 σ 大きい.
WASP-80b
この惑星は,0.55 木星質量のウォームサターンもしくはホットジュピターである.最も大きなトランジット深さを示す系外惑星のうちのひとつである (0.17126 ± 0.00031, Triaud et al. 2013).過去の観測では,大気の透過スペクトルは厚い雲と大気のヘイズが存在するとするものと整合的であった (Fukui et al. 2014).
今回はこの惑星のトランジットを Bessel U フィルターで観測した.
荒れた天候の影響により追尾が一時故障した影響で,トランジット光度曲線に穴が生じている.しかし過去の結果に近い物理パラメータが導出された.
TTV と思われるシグナル検出したが,確認のためには更なる観測が必要である.
WASP-103b
この惑星は 1.49 木星質量のホットジュピターであり,0.925542 日という非常に短い周期を持つ.軌道半径は,ロッシュ限界半径よりわずかに 20%大きいだけである (Gillon et al. 2014).この系には,暗く低温で,近距離 (射影距離 0.242 arcsec) にある WASP-103 の伴星がある (Wo ̈llert & Brandner 2015).
過去の観測では,青い側の可視光の波長で惑星半径が大きくなっていることが報告されている.しかし Southworth & Evans (2016) では,近傍の伴星の混入を考慮したとしても,大気中での散乱はこの観測結果の主要な原因にはならないと指摘している.
今回は Bessel U で観測を行った.
このフィルターでの半径比 Rp/Rstar は,発見報告論文での値と 2.1 σ 異なるものであった.
その他のパラメータは過去の観測と 1 σ 以内で一致した,軌道周期も過去の報告と一致した.
半径比の近赤外線と今回の紫外線での値の違いは,Southworth & Evans (2016) で報告されたものと一致する.
XO-3b
この惑星は XO サーベイで発見された.11.79 木星質量と重く,e = 0.26 と大きな軌道離心率を持つ惑星である (Johns-Krull et al. 2008).Hebrard et al. (2008) によると,中心星 XO-3 の自転軸は XO-3b の公転軸とずれていることが指摘されている.
今回は Harris B フィルターで観測した.
物理パラメータは過去の報告と一致した.
半径比 Rp/Rstar は V バンドでの過去の観測 (Winn et al. 2008) より 2 σ 大きいものであった.
議論
HAT-P-5b, HAT-P-12b, WASP-2b, WASP- 24b, and WASP-80b については,可視光の範囲内でのトランジット深さは一定であった.これは,惑星の高層大気に雲かヘイズが存在している事を示唆している.あるいは,等温の圧力温度構造を持っている可能性もある (Fortney et al. 2006).CoRoT-12b, HAT-P-33b, HAT-P-37b, WASP-103b, XO-3b については,トランジット深さの波長による違いを検出した.これは,大気中のエアロゾルもしくはレイリー散乱,あるいは吸収の存在を示唆している.
HAT-P-37b は B バンドでのトランジット深さが,赤い波長や近赤外線でのトランジット深さよりも小さい値を示した.このような傾向は,Evans et al. (2016) によって WASP-121b で報告されているのみである.Evans et al. (2016) では,この特徴は TiO/VO の吸収によるものであると主張している,これが HAT-P-37b の大気中でも起きている可能性がある.しかし TiO/VO が吸収源かどうかはさらなる理論モデル化が必要.
HAT-P-5b,WASP-80b,WASP-103b の近紫外線観測では,トランジット光度曲線の非対称性は見られなかった.この結果は,先行研究での 19 例の他の惑星の地上からの近紫外線観測の結果と整合的である (Southworth et al. 2012など).さらに Turner et al. (2016) の CLOUDY プラズマシミュレーションコードによる理論モデルでは,吸収を引き起こす可能性のある物理現象に関係なく,広帯域の近紫外線で非対称トランジットは形成されないことが指摘されている.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.07922
Trumbo et al. (2017)
ALMA Thermal Observations of a Proposed Plume Source Region on Europa
(エウロパのプルーム起源候補領域の ALMA 温度観測)
プールクレーター周辺の領域は,ガリレオ探査機の Photopolarimeter Radiometer による観測で,夜の時間帯 (太陽光が当たっていない時間帯) に熱の超過が見られている.この場所は,2 つのプルームと思われる現象の検出報告がある場所に対応している.
エウロパの全球熱モデルを発展させ,昼側と夜側の両方の熱放射をシミュレートし,観測されている夜の熱的異常が,プルーム源領域から予想される内因性の熱流の超過によって引き起こされるかどうかを調べた.
その結果,プールクレーター付近の夜と昼の輝度温度は,その場所での熱流の超過を含めるモデルでは観測と合わせることができないことが分かった.むしろ,表面の局所的な熱慣性の増加によって,両方の測定をうまくモデル化することが出来る.
ここではエウロパ全球の 1 次元熱拡散モデルを用いて,ALMA と PPR 観測の両方をフィットした.
しかし,問題の領域は周囲より相対的に高温であったものの,ALMA による昼の時間帯の撮像では,モデルが予測するよりも低温であった.この結果は,局所的に熱慣性が上昇していることを示唆していると考えられる.
局所的な熱慣性を 47%大きくした場合,ALMA と PPR 双方の観測を説明できる.そのため,ガリレオによる夜側の熱異常は,エウロパ表面の局所的な熱慣性の変化によるものと結論付けた.この熱慣性の局所変化は,プールクレーターから近い位置にあることが原因だと考えられる.
arXiv:1708.07922
Trumbo et al. (2017)
ALMA Thermal Observations of a Proposed Plume Source Region on Europa
(エウロパのプルーム起源候補領域の ALMA 温度観測)
概要
Atacama Large Millimeter Array (ALMA) を用いて,エウロパの昼側の熱画像を取得した.今回観測した領域は,Pwyll Crater (プールクレーター) の北西領域を含んでいる.プールクレーター周辺の領域は,ガリレオ探査機の Photopolarimeter Radiometer による観測で,夜の時間帯 (太陽光が当たっていない時間帯) に熱の超過が見られている.この場所は,2 つのプルームと思われる現象の検出報告がある場所に対応している.
エウロパの全球熱モデルを発展させ,昼側と夜側の両方の熱放射をシミュレートし,観測されている夜の熱的異常が,プルーム源領域から予想される内因性の熱流の超過によって引き起こされるかどうかを調べた.
その結果,プールクレーター付近の夜と昼の輝度温度は,その場所での熱流の超過を含めるモデルでは観測と合わせることができないことが分かった.むしろ,表面の局所的な熱慣性の増加によって,両方の測定をうまくモデル化することが出来る.
エウロパのプルームと地質学的活動
木星の衛星エウロパにおけるプルーム (噴出活動) と思われる現象の検出は,Sparks et al. (2016, 2017) によって報告されている.エウロパ表面での熱超過は,ガリレオの PPR によって,エウロパの夜の時間帯にプールクレーター付近で発見されている (Spencer et al. 1999).もし熱の超過が内因性のホットスポットによるものであれば,プールクレーターの北西領域は現在も地質学的活動を起こしているという説を支持することになる.ここではエウロパ全球の 1 次元熱拡散モデルを用いて,ALMA と PPR 観測の両方をフィットした.
しかし,問題の領域は周囲より相対的に高温であったものの,ALMA による昼の時間帯の撮像では,モデルが予測するよりも低温であった.この結果は,局所的に熱慣性が上昇していることを示唆していると考えられる.
局所的な熱慣性を 47%大きくした場合,ALMA と PPR 双方の観測を説明できる.そのため,ガリレオによる夜側の熱異常は,エウロパ表面の局所的な熱慣性の変化によるものと結論付けた.この熱慣性の局所変化は,プールクレーターから近い位置にあることが原因だと考えられる.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.07543
Giacalone et al. (2017)
A test of the high-eccentricity migration scenario for close-in planets
(近接惑星の高軌道離心率軌道移動シナリオの検証)
ロッシュ限界よりも小さい近星点距離に到達した巨大惑星はガスのエンベロープを失い,生き残った惑星分布の内縁の位置する惑星になる.
この軌道移動シナリオの観測的な証拠には様々なものがあるが,潮汐散逸による軌道崩壊 (orbital decay) の効果のため,証拠は多少曖昧になる.ここでは,HEM シナリオによってもたらされる別の重要な予言について検証する.その予言とはすなわち,典型的なパラメータにおいて,円軌道化に必要な時間が惑星の年齢と同程度となる場所付近に存在すると思われる,軌道離心率の空間的な勾配の存在である.
過去の研究では既にこの軌道離心率分布の勾配の証拠を発見し,惑星内部での潮汐散逸によって円軌道化過程が占められていると考えた場合と整合的な特性を持つということをが示されている (この効果は潮汐のクオリティファクター Q’p で表される).
ここでは,観測データとの比較のために陽的なモデル分布を構築し,観測された系のパラメータを用いて交代時間積分を行うことで,過去の解析の取扱を拡張した.惑星軌道の円軌道化は一般的に,分布の内縁 (いわゆる sub-Jovian desert の境界を決めるもの) の外で発生する.また,典型的には円軌道化領域では Q’p ~ 106 となる.
また,低質量惑星の軌道離心率勾配の存在に関する暫定的な証拠も発見した.これは HEM による軌道移動は,海王星程度のサイズの惑星にまで関連していることを示唆する結果である.
arXiv:1708.07543
Giacalone et al. (2017)
A test of the high-eccentricity migration scenario for close-in planets
(近接惑星の高軌道離心率軌道移動シナリオの検証)
概要
惑星の高軌道離心率軌道移動 (high-eccentricity migration, HEM) シナリオでは,中心星に近接した軌道を持つ惑星は,まず中心星の近傍に大きな離心率の軌道で到達し,恒星との潮汐相互作用を通じて,軌道長半径の減少とともに円軌道化されたと考える.ロッシュ限界よりも小さい近星点距離に到達した巨大惑星はガスのエンベロープを失い,生き残った惑星分布の内縁の位置する惑星になる.
この軌道移動シナリオの観測的な証拠には様々なものがあるが,潮汐散逸による軌道崩壊 (orbital decay) の効果のため,証拠は多少曖昧になる.ここでは,HEM シナリオによってもたらされる別の重要な予言について検証する.その予言とはすなわち,典型的なパラメータにおいて,円軌道化に必要な時間が惑星の年齢と同程度となる場所付近に存在すると思われる,軌道離心率の空間的な勾配の存在である.
過去の研究では既にこの軌道離心率分布の勾配の証拠を発見し,惑星内部での潮汐散逸によって円軌道化過程が占められていると考えた場合と整合的な特性を持つということをが示されている (この効果は潮汐のクオリティファクター Q’p で表される).
ここでは,観測データとの比較のために陽的なモデル分布を構築し,観測された系のパラメータを用いて交代時間積分を行うことで,過去の解析の取扱を拡張した.惑星軌道の円軌道化は一般的に,分布の内縁 (いわゆる sub-Jovian desert の境界を決めるもの) の外で発生する.また,典型的には円軌道化領域では Q’p ~ 106 となる.
また,低質量惑星の軌道離心率勾配の存在に関する暫定的な証拠も発見した.これは HEM による軌道移動は,海王星程度のサイズの惑星にまで関連していることを示唆する結果である.
天文・宇宙物理関連メモ vol.231 Evans et al. (2016) ホットジュピター大気中での TiO/VO の検出の証拠