忍者ブログ
日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1509.07514
De Rosa et al. (2015)
Astrometric Confirmation and Preliminary Orbital Parameters of the Young Exoplanet 51 Eridani b with the Gemini Planet Imager
(GPIによる若い系外惑星エリダヌス座51番星bのアストロメトリによる検出と、軌道要素の予備結果)

概要

Gemini Planet Imager (GPI)によって、若い系外惑星であるエリダヌス座51番星b (51 Eridani b)を観測した
観測の結果から、エリダヌス座51番星bは中心星のエリダヌス座51番星に物理的に束縛されている事を示す更なる証拠を得た。

今回の新しい観測と過去の観測結果を合わせ、エリダヌス座51番星bが前方か後方にある、重力的に束縛されていないT型矮星(褐色矮星)で、偶然エリダヌス座51番星と近接しているという確率は 2 × 10-7であるという結果を得た。
この値は、過去に得られたものより 1桁低いものである。

またエリダヌス座51番星bが間違いなく重力的に束縛された天体であるとすれば、発見時期の観測と現在の間の軌道運動を検出することに成功した。
これらの観測結果を元に、モンテカルロ法で軌道要素を暫定的に決定した。
アストロメトリ(位置天文学)観測から、軌道長半径は 14 (+7, -3) AU、軌道周期は 41 (+35, -12)年と算出した。(中心星質量は 1.75太陽質量と仮定)
また軌道傾斜角は 138 (+15, -13)度である。
その他の軌道要素については現時点ではわずかな制限しかかけられなかった。

この暫定的な結果より、エリダヌス座51番星bは、離れた位置にあるエリダヌス座51番星の伴星である GJ 3305 (M型星)と軌道平面を共有していない事が分かった。

エリダヌス座51番星系について

中心星であるエリダヌス座51番星は、距離が 29.43 pcと太陽系から近い近傍の恒星である(van Leeuwen 2007)。
また、がか座ベータ運動星団 (β Pictoris moving group)とう若い星団の一員であり(Zuckerman et al. 2001)、星団の年齢は 24 Myrである(Bell et al. 2015)。

最近、Macintosh et al. (2015)によって惑星が発見されており、質量は 2 - 10木星質量、投影された軌道長半径は 13.2 AUである。この発見もGPIによる観測である。
(※参考記事
天文・宇宙物理関連メモ vol. 47 Macintosh et al. (2015) エリダヌス座51番星まわりでの若い木星の発見)

Macintosh et al. (2015)でのエリダヌス座51番星bの発見時には、観測期間が短かったため、単なる背景天体である可能性については除外できたが、近傍の褐色矮星である可能性は完全には排除できていなかった。
しかし統計的な考察から、褐色矮星である可能性は 2.4 × 10-6と極めて低かった。

またエリダヌス座51伴星の分光観測では、赤外超過があることが分かっており、これは周囲にデブリ円盤が存在することを示している(Petal et al. 2014など)。
この円盤は空間分解されていなため、傾斜角や構造については不明である。

さらに、投影距離 1960 AUという極めて遠方に、GJ 3305というM型星同士の連星になっている伴星を持ち、軌道周期は ~ 104年である(Feigelson et al. 2006)。
この連星の間隔は 9.80 AUである(Montet et al. 2015)。

GJ 3305の連星の傾斜角についてはよく分かっていて、92.1°である(Montet et al. 2015)。
しかし、エリダヌス座51番星とGJ 3305系の成す傾斜角についてはよく分かっていない。









少し前に「若い木星が発見された」ということでニュースになったのがこのエリダヌス座51番星bです。
今回の論文はその発見論文の続きのようなもので、惑星を発見する際に用いられたGPIでその後も継続して観測することによって、エリダヌス座51番星bのアストロメトリ観測を行った、というものです。

拍手[0回]

PR

論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1509.07750
Neveu-VanMalle et al. (2015)
Hot Jupiters with relatives: discovery of additional planets in orbit around WASP-41 and WASP-47
(親類のいるホットジュピター:WASP-41とWASP-47における追加の惑星発見)

概要

WASP-41, WASP-47において、視線速度法によって2つの追加の惑星を発見した。

WASP-41cは最小質量 (m sini)が 3.18木星質量、軌道離心率が 0.29、軌道周期が 421日の惑星である。
WASP-47cは最小質量が 1.24木星質量、軌道離心率が 0.13、軌道周期が 572日の惑星である。
他のホットジュピターを持つ多くの系とは異なり、この2つの系は ~ 1 AUあたりに長周期の惑星を持つ系である。

WASP-41は比較的若く、活発な彩層活動を持つ恒星である。
惑星による視線速度のシグナルと、恒星の磁気的活動サイクルによるシグナルを識別するために、Hαの輝線観測を利用した。
その結果、この手法は恒星の活動パターンや磁気的活動サイクルを検出するのに適している事が判明した。

また、WASP-41b (ホットジュピター)のトランジット時のロシター効果の検出も行った。
ロシター効果から、WASP-41bの軌道は恒星の赤道面からずれている可能性が示唆されるが、ずれていない軌道である可能性の排除は出来なかった。

WASP-47では最近、これらの他にトランジットする2つのスーパーアースが発見されている(Becker et al. 2015)
このような系は他に例がなく、惑星の軌道移動の研究に関して重要であると考えられる。
(※参考記事
天文・宇宙物理関連メモ vol. 45 Becker et al. (2015) ホットジュピター近傍での惑星検出)

Becker et al. (2015)で発見された 2つのスーパーアースについて、9日周期の惑星を視線速度から探索したが、この惑星による視線速度の振幅は CORALIEの検出限界以下であるため検出はできなかった。
また、WASP-47は自転軸と惑星の公転軸のずれは小さいという報告がある(Sanchis-Ojeda et al. 2015)。
(※参考記事
天文・宇宙物理関連メモ vol.73 Sanchis-Ojeda et al. (2015) コンパクト複数惑星系内のホットジュピターの傾斜角測定)

拍手[0回]


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1509.07222
Feng & Bailer-Jones (2015)
Finding the imprints of stellar encounters in long period comets
(長周期彗星における恒星の近接遭遇の痕跡)

概要

太陽系のオールトの雲は、銀河潮汐や恒星の近接遭遇によって擾乱を受ける。
これらの擾乱はオールトの雲内の天体を太陽系内側へと向かわせ、長周期彗星 (軌道周期が 200年を超えるもの)となる。
銀河潮汐と、既知の 61回の恒星の近接遭遇を考慮したオールトの雲の力学計算から、長周期彗星と恒星の近接遭遇の関係について調査を行った。

その結果、過去の近接遭遇は、現在知られている長周期彗星の少なくとも ~ 5%の太陽系内側への貫入に関与していると考えられる。
この値は、過去の近接遭遇についての不確実さによる上限値である。

知られている長周期彗星の生成要因としては銀河潮汐がより重要だと考えられるが、長周期彗星の近日点の黄経分布の非一様性からは、過去の強い、しかし未同定の恒星の近接遭遇や力積が存在することを示唆する。

過去・将来における最も強い影響を及ぼす近接遭遇は、おそらく HIP 89825 (グリーゼ710)と、HIP 14473によるものである。
長周期彗星の合計のフラックスに対して、それぞれ最大で 8%、6%の寄与をする。

また計算結果より、恒星の近接遭遇による影響の強さはシンプルな近似で表すことができ、これは大きなデータセットから明確な影響を及ぼす近接遭遇を識別する際に有用である。

拍手[0回]


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1509.07452
Driscoll & Barnes (2015)
Tidal heating of Earth-like exoplanets around M stars: Thermal, magnetic, and orbital evolutions
(M型星周りの地球型系外惑星の潮汐加熱:熱進化、磁場進化、軌道進化)

概要

岩石惑星の内部における熱的・磁気的な進化は、惑星のハビタビリティ (居住可能性)において重要な項目である。
ここでは、低質量のM型矮星まわりの地球質量の系外惑星の熱的・軌道進化に注目した。
このような系では、中心星の放射によって決まるハビタブルゾーンが、"tidal zone"とオーバーラップする。"tidal zone"とは、惑星内部での潮汐散逸が内部の重要な熱源となり得るような主星との距離範囲を指す。
この調査のために、地球を対象とした較正を行った、熱的-軌道進化モデルを用いた。

惑星の軌道エネルギーが惑星内部で潮汐加熱として散逸し、惑星軌道の内側への進化と軌道の円軌道化が発生する。
惑星軌道の円軌道化のタイムスケールは、惑星内部での潮汐散逸率に反比例する。
計算の結果、マントルの温度が ~ 1800 Kあたりで粘弾性状態を通過するときに、内部での散逸が極大になる事を発見した。

0.1太陽質量の恒星の周りにある、軌道長半径 0.07 AUの惑星は、10 Gyr以内に軌道が円軌道化される。この時間は初期の軌道離心率に依存しない。
一度円軌道化されると、惑星は単調に冷えていき、地球と同様のダイナモ作用を維持する。
一方、離心率の大きい軌道を保つ惑星の場合は、コアの急速な冷却と固化を経験し、ハビタブルゾーン内の惑星でのダイナモ作用を抑制する。

結果としては、0.45太陽質量、あるいはそれ以上の質量の中心星まわりのハビタブルゾーンでは、惑星内部の潮汐加熱は重要ではない。
その理由は、潮汐散逸は中心星の質量ではなく中心星からの距離の強い関数であり、ハビタブルゾーンはより重い恒星の周りでは中心星から遠い範囲になるためである。

ダイナモ作用の抑制による惑星磁場の抑制は、大気を恒星風による侵食に晒し、また惑星表面への有害な放射線の到達を許す。
さらに弱い磁場という状況に加え、巨大な噴火イベントや長期間継続するマグマオーシャンにより、低質量星周りのハビタブルゾーン内にある離心率の大きい惑星は、生命には不向きの環境であると考えられる。

拍手[0回]


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1509.06068
Testi et al. (2015)
Hunting for planets in the HL Tau disk
(HL Tauの円盤における惑星探査)

概要

ALMAによるHL Tauの撮像観測では、惑星天体によるものかも知れない円盤のギャップ構造が、ダストを含む円盤内に発見された。
もし惑星が存在するのであれば、この系の若い年齢を考慮すると、惑星形成のタイムスケールは短いことを示しており、円盤の重力不安定と関係している可能性がある。

この説を確認するために、Large Binocular Telescope Interferometerの中間赤外線カメラを用いて、L'バンドでHL Tauの撮像観測を行った。
この望遠鏡の観測では、~ 70 AUの明確なダストのdipの場所において、contrast levelが ~ 7.5 magであった。

観測の結果、点源は発見されなかった。
惑星の進化モデルを考慮すると、10 - 15木星質量を超える惑星は存在していないという上限値が与えられる。

観測されたミリメートル波長での構造は、円盤の中心平面での大きな粒子の分布におけるギャップ構造を示しているという可能性がある。
この構造は、円盤に完全なギャップを開けることが出来るものよりも軽い惑星によって作ることが出来る。
将来のALMAによる分子ガスの密度と運動の観測と、高コントラストの赤外線観測から答えが出ると考えられる。

拍手[0回]