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駅名の読みにくさを完全に個人的な主観で勝手にランク付けする、駅名難易度勝手にランク付け。

前回はこちら
東海道本線・JR東日本区間編


勝手にランク付けの基準は、

S…初見ではまず間違いなく正しく読めない、文句無しの難読駅名
A…初見で読むことが難しいと思われる駅名
A-…Aに準ずるが、知名度が高いため正しく読めやすいと思われる駅名
B…難読と言うほどではないが、若干読みづらいと思われる駅名
B-…難読ではないが、他の読み方も考えられるため一発では読めない可能性がある駅名
C…難しくない駅名
ランク分けも完全に主観だし、駅名へのランク付けも完全に個人的な主観です!

今回は東海道本線のJR東海区間です。


A- 熱海 (あたみ)
A 函南 (かんなみ) "函"がいまひとつ馴染みのない漢字。
C 三島 (みしま)
C 沼津 (ぬまづ)
C 片浜 (かたはま)
C 原 (はら)
B 東田子の浦 (ひがしたごのうら) 周辺の駅がどれもすっきりした駅名なので、ちょっと面食らう駅名ではある。
B- 吉原 (よしわら) 「よしはら」という読みと混同しそう。
C 富士 (ふじ)
B- 富士川 (ふじかわ) 「ふじがわ」との誤読可能性有り。河川名も自治体名も正式に「ふじかわ」だけど、「ふじがわ」と表記されてしまうことも多々有る様子。
A 新蒲原 (しんかんばら)
A 蒲原 (かんばら) "かん"と読むのは以外と難易度高いのではないだろうか。
S 由比 (ゆい) 「由比ヶ浜」など他の例もあるが、初見で読むのは無理だろう。
S 興津 (おきつ) 同じ地名は各地にあるようだけど、シンプルな難読地名だと思います。
C 清水 (しみず) 「きよみず」との区別はさすがにつくだろうと考えてCランク。
A 草薙 (くさなぎ) 人名にあるといえばあるが…
C 東静岡 (ひがししずおか)
C 静岡 (しずおか)
B- 安倍川 (あべかわ) こちらも「あべがわ」では無い。
B 用宗 (もちむね) 歴史上の人物名のような駅名。
A- 焼津 (やいづ) 焼津の地名自体が有名だと勝手に判断。
A- 西焼津 (にしやいづ)
C 藤枝 (ふじえだ)
C 六合 (ろくごう) 普通に読めばこの通りだけど、群馬県にはかつて「六合村 (くにむら)」という超難読村名がありました。
C 島田 (しまだ)
B- 金谷 (かなや)
B- 菊川 (きくがわ) 「きくかわ」でな無い。
C 掛川 (かけがわ)
C 愛野 (あいの)
C 袋井 (ふくろい)
B 磐田 (いわた) サッカーチームもあるので知名度は高いか。
B- 豊田町 (とよだちょう)
C 天竜川 (てんりゅうがわ)
C 浜松 (はままつ)
B- 高塚 (たかつか)
C 舞阪 (まいさか)
C 弁天島 (べんてんじま)
B- 新居町 (あらいまち) 駅名の由来である地名の方は「あらいちょう」と読むようです。
B- 鷲津 (わしづ)
B 新所原 (しんじょはら)
B- 二川 (ふたがわ)
C 豊橋 (とよはし)
B 西小坂井 (にしこざかい)
S 愛知御津 (あいちみと) 「御津」が難読。ちなみにかつての御津町 (みとちょう)が属していた郡「宝飯郡 (ほいぐん)」もなかなかの難読。
C 三河大塚 (みかわおおつか)
A 三河三谷 (みかわみや) 「みたに」では無い。
A 蒲郡 (がまごおり)
B- 三河塩津 (みかわしおつ)
A 三ケ根 (さんがね) 読みを聞いてしまえばどうということはないが、いまひとつ読みづらい駅名。
B- 幸田 (こうだ)
C 相見 (あいみ)
C 岡崎 (おかざき)
C 西岡崎 (にしおかざき)
C 安城 (あんじょう)
C 三河安城 (みかわあんじょう)
C 東刈谷 (ひがしかりや)
C 野田新町 (のだしんまち)
C 刈谷 (かりや)
C 逢妻 (あいづま)
C 大府 (おおぶ)
C 共和 (きょうわ)
B- 南大高 (みなみおおだか)
B- 大高 (おおだか)
C 笠寺 (かさでら)
C 熱田 (あつた)
C 金山 (かなやま)
B 尾頭橋 (おとうばし)
C 名古屋 (なごや)
A- 枇杷島 (びわじま) 名鉄の西批杷島・東枇杷島と同様の理由で、「枇杷」の読みはある程度知名度があるだろうとの判断。
C 清洲 (きよす)
B- 稲沢 (いなざわ)
C 尾張一宮 (おわりいちのみや) 「尾張」などの旧国名の扱いには結構困る…。おそらく読めない人はいるだろうけど。
C 木曽川 (きそがわ)
C 岐阜 (ぎふ)
C 西岐阜 (にしぎふ)
C 穂積 (ほづみ)
C 大垣 (おおがき)
B 垂井 (たるい)
C 関ケ原 (せきがはら) 読みとは関係ないけど、"ケ"なのか"ヶ"なのかは表記として悩ましいところ。自治体名としては「関ケ原町」、駅名も関ケ原を使っている様子。
B- 柏原 (かしわばら) 「かしわら」という読みもある上に、「かいばら」という読みもあるので、漢字だけ出されても正しく読めない。この読み方を題材にしたミステリー小説があったような。
C 近江長岡 (おうみながおか)
A 醒ケ井 (さめがい) いまひとつ読みづらい。
B 米原 (まいばら) "米"の読み方にいろいろあるので分かりづらいだろうとしてBランク。


(通称)美濃赤坂支線。

C 大垣 (おおがき)
C 荒尾 (あらお)
C 美濃赤坂 (みのあかさか)


東海道本線のJR東海区間では、
由比
興津
愛知御津
をSランクにしました。

由比は東海道の交通の結節点として有名ではありますが、やはり難読だろうと思います。
興津も初見ではまず読めないだろうという点で難読度が高いと思われます。
愛知御津も、「おんつ」とか「みつ」とかだろうと思いきや、「みと」だという意外性でSランクです。

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。


arXiv:1506.07202
Rugheimer et al. (2015)
Effect of UV Radiation on the Spectral Fingerprints of Earth-like Planets Orbiting M dwarfs
(M型星まわりの地球型惑星のスペクトルの特徴に紫外線放射が与える影響について)

概要

M型星(M dwarf)まわりの地球型惑星の大気とスペクトルのモデル化を、中心星からのUV放射を考慮して行った。
ここでは、UVの活動レベルの変化がhabitability (居住可能性)に関係する物質のスペクトルの特徴に与える影響にフォーカスしている。ここでいうhabitabilityに関係する物質とは、H2O, O3, CH4, N2O, CH3Clである。

結果、O2とO3、還元種であるCH4のsignatureを検出するためには、早期型かつ活発なM dwarfが最適なターゲットであることが分かった。
0.76 μmの酸素分子の特徴は、晩期型のM dwarfまわりでは反射光から検出するのが難しくなる。理由はこの波長域での中心星からのフラックスが小さくなるためである。

他のbiosignatureであり、赤外領域に特徴を持つN2Oは、このモデルではUVの弱いM dwarfまわりでは検出可能な濃度になる。
CH3Clも検出可能であるが、N2Oの特徴と被る。

計算モデル

中心星のUV放射モデル

これまでのM dwarfでのUVモデルの問題点は、
・複雑な磁場が彩層を加熱してそこからのUV放射をdriveするが、この効果は含まれていない
・UV領域でのopacity
・半経験則に基づくものであり、磁場の加熱と放射損失のエネルギーバランスを欠く
などがある。

この計算では、"active"なモデル (最も活発なM dwarfの観測に基づく)と、"inactive"なモデル (彩層無しの半経験的なモデル)を使用している。

惑星大気のモデル

計算には、EXO-P (Kaltenegger & Sasselov 2010)を使用。
EXO-Pは岩石惑星の大気計算のための、1D radiative-convective atmosphereのモデル。
このコードは、1D気候モデル、1D光化学モデル、1D輻射輸送を含み、M dwarfまわりのハビタブルゾーン内の岩石惑星のスペクトルを計算することができる。
恒星からの輻射が大気に与える影響と、惑星から出て行く放射のスペクトルの両方を計算できる。

ここでは、上空~60 kmまでを100層に分割して計算。
平行平板大気を仮定し、惑星表面はランバート球を仮定。また、天頂角は60°とする。
大気の温度は、内側へ向かうフラックスと外側へ向かうフラックスの差と、各層における熱容量から計算する。
ある層における気温減率が断熱よりも大きくなった場合は、大気が平衡になるまで断熱にadjustする。
輻射輸送はtwo-stream近似を用い、大気のガスによる散乱を含んだものである。
また熱赤外線の波長域では、RRTM (rapid radiative transfer method)で計算。
雲の効果は陽には含まず、ボンドアルベドの値を変えることによって暗に含ませている。

また惑星の軌道は、平衡温度が地球と等しくなるように、中心星の輻射強度に応じて"1 AU相当"の距離に置く。

計算結果

温度構造

上空での温度逆転は、全て地球の温度逆転よりも弱い。M dwarfは2000-3000Åでlow UVであることが原因。そのためほぼ等温の成層圏になる。

またUVが強い方が温度逆転が弱くなる。地球ではオゾンがUVを吸収して加熱源になるため、この結果は地球における結果を踏まえた直感には合わないものである。
弱いUV放射では、成層圏でのメタン、水分子による追加の吸収による加熱が存在する。

Lyman αの効果

M0型星での標準的なLyman αの値と、それを103, 106, 109, 1012, 1015倍した場合を比較する。
これはフラックスで言うと、2.7 × 10-8 - 2.7 × 104 erg cm-2 s-1に対応する。
結果として、大気の温度構造や分子のmixing ratioに与える影響は非常に小さい。
1015倍のケースだけは、上空でのメタンと、大気全域でのN2Oの分解に効いてmixing ratioを下げる。

GJ 1214のLyman αの観測から、Lyman α強度の上限が判明している。その上限値に対応するモデルと、それを10-2 - 103倍までパラメータを振って計算。
この場合、メタンには変化があった。水は成層圏でわずかな変化があった。しかし酸素分子とオゾンはほぼ変化なし。

biosignatureについて

N2Oについては、M9型星のinactiveな場合は検出可。










arXiv:1506.07200
Rugheimer et al. (2015)
UV Surface Environment of Earth-like Planets Orbiting FGKM Stars Through Geological Evolution
(地質学的進化を通じたFGKM星まわりの地球型惑星のUV表層環境)

概要

F, G, K, M型星の、1 AU相当の距離にある地球型惑星の表層環境について。
用いた大気のモデルは、3.9 Gyr前の初期の地球大気、酸素分子が増え始めた2.0 Gyr前の地球大気、0.8 Gyr前の地球大気、そして現在の地球大気。

UVの計算に加え、生物へのダメージがどうなるかを検討。

結果としては、生命が生まれる前に対応する3.9 Gyr前のF0V starまわりでは、初期の地球の6倍、現在の地球の3520倍のbiologically effective radiationを受ける。
生命が生まれる前に対応する時期の、GJ 581 (スペクトル型:M3.5V)まわりでは、300倍少ないbiologically effective radiationを受けた。

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。


arXiv:1506.07067
Jontof-Hutter et al. (2015)
The mass of the Mars-sized exoplanet Kepler-138 b from transit timing
(トランジットタイミングからの火星サイズ系外惑星ケプラー138bの質量)

概要

トランジット時刻変動 (Transit Timing Variation, TTV)を用いて複数惑星系の惑星の質量を決定した。
一番内側を公転するケプラー138bは0.066地球質量であり、ケプラーでのトランジット観測から測定した惑星半径のデータを用いて平均密度を計算すると、2.6 g cm-3
外側の2つであるケプラー138c, dは地球よりやや大きいサイズであり、平均密度はそれぞれ 6.2 g cm-3、2.1 g cm-3。後者は水や水素を多く含む惑星である可能性がある。

背景

ケプラー宇宙望遠鏡のトランジット観測からは系外惑星の半径が分かる。
質量はトランジットからは判明せず、視線速度法による追観測から求められる。これらの惑星は、軌道周期では数日以下のものが多い。

これまでの観測で質量が判明しているものの中では、ケプラー78bが最も軽い部類であり、1.7地球質量である。この惑星は軌道周期が0.35日と極めて短周期。

視線速度法以外に、TTVによって質量を決定する方法がある。
TTVとは、複数惑星がある場合に、他の惑星の重力の影響を受けてトランジットのタイミングがわずかにずれる現象のことである。
TTVは、惑星が近接した軌道にある場合、あるいは軌道共鳴に入っている場合はsensitiveである。

TTVが検出されている複数惑星系では、1次の軌道共鳴に入っているものが多数派であり、これは2次の軌道共鳴よりもTTV signalが大きくなる。
ただし、どれだけ共鳴に近いか、軌道離心率はどの程度かも重要な要素である。

TTVによるケプラー138系の惑星質量の決定

ケプラー138のデータ

Kepler Input CatalogではKOI-314という名前で登録されている。
質量 0.521太陽質量
半径 0.522太陽半径
有効温度 3841 K

ケプラー 138b, c, dのデータ

・ケプラー138b
周期 10.3126日
質量 0.066地球質量
半径 0.522地球半径
平均密度 2.6 g cm-3

・ケプラー138c
周期 13.7813日
質量 1.970地球質量
半径 1.197地球半径
平均密度 6.2 g cm-3

・ケプラー138d
周期 23.0881日
質量 0.640地球質量
半径 1.212地球半径
平均密度 2.1 g cm-3

c, dは2次の共鳴である5:3に近い軌道周期比になっている。また、b, cは1次の共鳴である4:3に近い。

これまでは、3つの惑星のうち2つはTTVで解析されており、その際にdは低密度の惑星であることも判明していた。今回は3つ全てでTTVを検出した。

その他

ケプラー138bは、半径・質量において最小の部類に入る系外惑星である。
今後の観測で、岩石よりも軽い物質でできていることがわかった場合、小さい惑星の内側への移動の証拠となる。

また、ケプラー138dは低密度であり、岩石+水で構成される惑星である可能性がある。このような惑星は系の遠方で形成された後に、惑星移動で内側へ移動してきたものである可能性が高い。







arXiv:1506.07057
Colón et al. (2015)
Vetting Kepler Planet Candidates in the Sub-Jovian Desert with Multi-Band Photometry
(多バンド測光を用いた、sub-Jovian desert内のケプラー惑星候補の調査)

概要

6地球半径以下のケプラー惑星候補3つを、多波長でトランジット観測を行った。
その結果、系外惑星候補であるKOI 439.01とKOI 732.01は惑星であると判明した。残りのKOI 531.01はfalse positive (偽陽性)であり、惑星によるシグナルではない可能性が高い。
惑星であると判明した方の2つについては、"sub-Jobian desert"の領域にある惑星であると考えられる。

Sub-Jovian desertについて

系外惑星の諸物理量について、軌道周期-惑星半径でプロットした時、軌道周期2.5日以下、3-11地球半径の領域は明らかに惑星数が少ないことが分かっている。
軌道周期-惑星質量でプロットした場合は、軌道周期2.5日以下、0.03-1木星質量の領域に相当する。
この系外惑星が明らかに欠乏している領域をsub-Jobian desertと呼ぶ。

地球質量より大きい程度の短周期系外惑星は現在の技術で十分発見できるため、この欠乏は観測バイアスで説明するのは難しい。
Sub-Jovian desertを説明する仮説としては、
・中心星に近接した惑星は惑星の内側移動で出来るとした場合、内側へ移動することができない限界の質量が存在する可能性がある
・木星サイズより小さい惑星は中心星の輻射を受け、短期間で大量の質量散逸を起こして無くなってしまう
というものが提案されている。

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。


arXiv:1506.07144
Courcol et al. (2015)
The SOPHIE search for northern extrasolar planets VIII. A warm Neptune orbiting HD164595
(SOPHIEによる系外惑星探査:HD 164595周りに"warm Neptune"を発見)

概要

SOPHIE spectrograph (Haute Province天文台の1.93 m望遠鏡に設置)で視線速度観測による系外惑星を検出。
SOPHIEによる観測では、視線速度観測の精度は~2 m s-1であり、太陽型星まわりの底質量惑星の検出が可能。
Solar analog (太陽類似の恒星)であるHD 164595周りに、最小質量(M sini)が16.1地球質量、軌道周期40日の惑星を発見した。軌道長半径は0.23 AUであり、海王星サイズの天体(warm Neptune)の部類に属する惑星である。

HD 164595について

スペクトルタイプはG2Vで、太陽に類似している。等級はV=7.08。
ヒッパルコス衛星による年周視差データによると34.57 masで、28.93 pcの距離にある。
0.99太陽質量、有効温度5790 K、金属量は[Fe/H]=-0.04であり、50 pc以内に存在する恒星の中では最も太陽に類似した性質を持つsolar analogの一つ。

HD 164595bについて

軌道周期 40.00日
軌道長半径 0.23 AU
軌道離心率 0.088
最小質量であるM sini = 16.14地球質量
いわゆるwarm Neptune-likeな惑星である。

その他

観測の結果、視線速度の長期のドリフトが検出された。このドリフトの原因は現時点では不明。
考えられる可能性としては、
・長い公転周期を持つ伴星などが存在する
・恒星自身の活動周期に起因する変動である
がある。

後者の可能性については、観測をした2.2年の期間に恒星のactivity indexがわずかに上昇していることが判明しているため、これと関連しているかもしれない。
Activity indexは0.1 dexの変動が最大で視線速度に換算して10 m s-1の違いになることが指摘されている(Lovis et al. 2011)

また、第三の可能性として、
・zero point driftの補正が正しくない
というものが考えられ、この可能性は完全には排除できない。

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。


arXiv:1506.03793
Ouyed & Jaikumar (2015)
Nuclear Fusion in the Deuterated cores of inflated hot Jupiters
(膨張半径を持つホットジュピターの重水素を含むコアでの核融合反応)

概要

ベースとなる研究は、ガス惑星のコア・マントル境界におけるD-D burning (Deuterium-Deuterium burning、重水素核融合) (Ouyed et al. 1998)
Ouyed et al. (1998)では、木星でのheat excess (過剰な熱量)を説明するための理論としてD-D burningを提案。ただし中心部で100000 Kという高温を必要とした。
ここでは、"screened DD fusion"を提案する。Screeningが、温度に関する厳しい条件と、成層した重水素層の必要性を排除するため、DD fusionのための条件が緩和される。

DD fusionがガス惑星内部でのエネルギー源と成り得て、1025-1027 erg s-1程度のエネルギー発生率が期待される。また、DD fusionは10000 K程度の、ホットジュピター中心部の密度でも発生しうる。
さらに、この機構は普遍的なものであり、Gyr程度継続する長期間有効なものであり、さらに金属量があまり高くなく、コアが溶けきってしまわないうちは効果的である。

よって、この機構によって、異常膨張半径を持つホットジュピターの説明ができる可能性がある。

イントロダクション、研究背景など

ホットジュピターの異常膨張半径を説明するための仮説

(i) 恒星からの輻射、あるいは風のわずかなエネルギーを惑星の内部にdepositすることによって、惑星の冷却を抑える"internal heat"とすることができ、半径の収縮を遅らせる (Baraffe et al. 2010)
(ii) 未発見の伴星が存在し、その天体が対象のホットジュピターの軌道離心率を上げることによって、潮汐加熱によって内部を温める (Bodenheimer et al. 2001 など)
(iii) 大気波動のbreakingによるkinetic heatによるもの (Guillot & Showman 2002)や、惑星磁場とイオン化した大気の流れによるmagneto-viscous heating、いわゆるオーム加熱 (Batygin & Stevenson 2010)
(iv) 大気のopacityが大きいことによる効果 (Burrows et al. 2007)

Ouyed et al. (1998)での内容と改善

Ouyed et al. (1998)では、数kmのピュアな重水素の層が形成され、そこでの密度を2-4 g cm-3とした場合、この重水素層でのDD fusionが木星での過剰熱量の説明になりうると主張した。

しかし、DD fusion rateを外挿すると、木星の過剰熱量の説明のためには中心付近で100000 K程度が必要である。これは通常の理論におけるコアの温度より1桁高い温度である。
また、重水素の沈殿と成層化の仕組みは不明として、重水素層の存在を仮定している。
さらに、対流によって重水素層が不安定化されるという点も考慮すべき課題である。

今回の改善点としては、重水素の供給源をエンベロープの最も内側ではなく、重水素の多いコアと仮定している。また、effective screening potentialを導入している。
この場合、10000 K程度の温度で惑星の冷却を遅くすることができる。

半径異常やheat excessの説明に必要なこと

(i) エネルギーの解放は持続的に行われ、Kelvin-Helmholtz時間(~108年)よりも長いこと。
(ii) すべてのホットジュピターで発生する現象ではないこと。同じホットジュピターでも、異常半径を持つものと持たないものがある。
(iii) 中心星の金属量とホットジュピターの異常膨張半径の関係は、逆相関の関係であること。中心星の金属量が多いと半径異常も少ないようである。

木星型系外惑星におけるDD fusion

Ouyed et al. (1998)では、コアの直上や付近での重水素層を仮定し、温度が100000 K程度以上でDD fusionに点火、維持するとしていた。
重水素は、微惑星集積時の微惑星の蒸発か、コアの溶解によって供給されると考える。
先述の通り、中心部付近での100000 Kは非常にシビアな条件である。また、重水素層が対流で壊される可能性もある。

DD fusionの形態としては、

(i) 縮退したコアにおいて、runaway burningが発生する
(ii) ~100000 Kでの定常的な燃焼

が考えられる。木星の過剰熱量の説明には(ii)が都合が良いが、中心温度や重水素層の安定性に関してはad hocな仮定である。

そこで、ここでは"DD screening"を考える。
DD fusionの反応断面積は、ガスの状態であるよりも固体の重水素含有のターゲットの方が大きくなる。そのため、低温領域で反応率が数桁上昇する。

ガス惑星・ホットジュピター等への適用

エネルギーの生成率:~1026 erg s-1
コアの温度は ~10000 Kと仮定
解放するエネルギー:~1042 erg

DD fusionの継続時間は~108 年と推定。
ただしこの数値は用いた数値の不定性のため、108-1010 年の変動はある。
もっともらしい値を採用した場合は、109 年程度の継続時間となり、KH時間よりも長い時間エネルギーを生み出し続け、惑星半径を10-20%膨張させることが可能となる。

議論、結論など

Wilson & Militzer (2012a, b)では、コア温度10000 K以上でコアの溶解が起きうる。

コアの溶解が対流によって引き起こされる場合、以下のことが考えられる。

(i) コアの溶解はガス惑星中心部でのDD fusionの必要条件だが、十分ではないかもしれない。
 コアの重水素量が少なければ生成するエネルギーもまた少なくなる。金属量が高く氷が少ない(つまり重水素も少ない)場合は、コアの溶解が起きている場合であってもエネルギー生成は少なくなってしまうだろう。
(ii) 他の機構がはたらくホットジュピターでは、DD fusionはadditionalな効果としてはたらくだろう。
 遠方のガス惑星においては、DD fusionはコア温度をコアの溶解が続く温度に保ち続け、DD fusionも維持される。しかしこれらの惑星はホットジュピターよりも早く冷えてしまうため、few billion yearsののちには縮退した状態まで冷えてしまうだろう。
 木星は、過去にDD fusionによる穏やかな半径の膨張があり、その後冷却とコアの溶解によって徐々に縮んでいる状態なのかもしれない。これに関連して、現在の木星のコアは小さい可能性が指摘されている。
(iii) 異常膨張半径は中心星からのフラックスの大きさでスケールされているように思われる。ホットジュピターのような高温の表面は、コアの溶解が起きる状態にまでコア温度を保つ可能性がある。その場合は、コアに十分な重水素が存在する場合は、継続的なDD fusionによってホットジュピター半径を膨張させうる。

結論、その他

・screened DD fusionはガス惑星内部での熱源と成り得て、異常膨張半径の説明になりうる

・DD burningによる"沸き立ち"を、惑星表面の振動のモードから探れる可能性はある

・現在も木星内部でDD fusionが続いている場合は、数十-数百個 cm-2 s-1の反ニュートリノが地球に飛来している計算になる。これは地下検出器の検出下限程度である。





ホットジュピターを含むガス惑星内部での重水素核融合(ここでは重水素同士の核融合反応)を考えることによって内部で熱を生み出し、一部のホットジュピターに見られる異常膨張半径を説明しようという内容の論文でした。

既存の理論では説明がつかない大きな半径を持つホットジュピターがいくつか存在していますが、エネルギーとしては受けている中心星からの輻射のほんの数%を惑星内部にdepositしてやれば、膨張半径は説明出来るとされています。
そのdepositの方法が不明なので未解決問題とされています。

説明するための仮説としては、
・ガス惑星の大気の運動エネルギーを内部に運んで熱化する。
 大気の運動は中心星からの輻射によってドライブされると考えると、中心星のエネルギーのごく一部を大気の流れを介して惑星内部にdepositしていると考えることが出来る
・潮汐力や熱潮汐力によって惑星内部を加熱する。
・惑星の磁場と、アルカリ金属の電離などによってイオン化した大気の流れが生み出す電流が惑星内部でオーム散逸し、惑星内部を加熱するという。いわゆるオーム散逸やオーム加熱によるもので、大気の流れは中心星の輻射起源なのでこれも中心星からのエネルギーをイオン化した大気の流れを介して惑星内部に与えていることになる
・大気の吸収係数の増加。大気が不透明であり、従来考えていたよりもずっと冷えにくい(そのため半径の収縮が遅く、既存の理論での半径より大きくなる)というもの。これは熱を与えるものではなく、冷えにくくするという仮説。
・惑星内部での二重拡散対流が発達することで熱輸送効率が低下し、惑星が冷えにくくなるというもの。温度勾配と組成勾配の対立により、大規模な対流ではなく、複数の層に分割された層対流が発達することで熱輸送効率が大幅に低下することが原因だとする仮説
などが挙げられています。
この論文は、それに新たな、重水素核融合による熱の生成という仮説を加えることになりました。

内容は面白いんですが、実際に起きうるのかとなるとちょっと判断しかねるところです。

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