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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.03647
Johnstone et al. (2015)
The Evolution of Stellar Rotation and the hydrogen atmospheres of habitable-zone Terrestrial Planets
(恒星の自転とハビタブルゾーンの地球型惑星の水素大気の進化)

概要

ガスのある原始惑星系円盤内で形成する地球型惑星は、多くの水素エンベロープを獲得する。この初期大気の XUV駆動の大気蒸発による大気進化は、恒星の活動の進化に依存する。またその恒星の活動の進化は、恒星の自転進化によって敏感に変化する。従って初期の時点に大きく依存する。

ここでは、静力学的な下層大気と動力学的な高層大気を組み合わせたモデルを構築し、惑星の初期大気の進化を調べた。その結果、恒星の初期の自転は大気の進化に対して非常に重要であり、水素エンベロープを失うか保つかを左右することを示した。

従って、大気の進化に関しては恒星の活動が重要な役割をはたすことが分かった。

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.02882
Kane (2015)
Stability of Earth-mass Planets in the Kepler-68 System
(ケプラー68系における地球質量惑星の安定性)

概要

ケプラー68系における軌道力学についての研究を行った。中心星のケプラー68の特性から、恒星周りのハビタブルゾーンの範囲を計算した結果、この惑星系にある惑星のうち、外側の惑星はハビタブルゾーン内に位置する事が分かった。またN体計算を用いて軌道の安定性の解析を行った。その結果、外側の惑星の傾斜角は 5°以上であるという制限をかけられた。
(※ここで言う軌道の傾斜角は、地球から見た時の天球面から測った時の角度のこと。惑星がトランジットを起こす、edge-onの場合は傾斜角は ~ 90°、視線方向と軌道面が垂直な face-onの場合は傾斜角は ~ 0°)

また、地球質量の惑星がケプラー68系内で安定に存在できる場所が存在するかどうかの、網羅的な安定性調査のシミュレーションを行った。その結果、ハビタブルゾーン内にいくつかの "安定性の島 (islands of stability)" が存在することが判明した。特に、外側惑星と 2:3の平均運動共鳴になる軌道は安定となる範囲が広い。

ケプラー68系について

中心星のケプラー68は比較的明るい恒星 (K=10)であり、視線速度の分光観測や星震 (asteroseismology)の観測が行われている。またトランジット法によってケプラー68b, cが発見されている。軌道周期はそれぞれ 5.399日、9.605日である、

さらに、視線速度観測によって三番目の惑星ケプラー68dが発見された。これはトランジットは起こしていない恒星であり、軌道周期は 580日、やや軌道離心率が大きく e = 0.18である。

分光観測と星震の観測によって中心星のパラメータはよく制限されており、有効温度が 5793 K、1.076太陽質量、1.243太陽半径、1.564太陽光度である。惑星の軌道長半径は内側からそれぞれ 0.061 AU, 0.091 AU, 1.4 AUであり、質量は 8.3地球質量、4.8地球質量、0.947木星質量である。

恒星のパラメータからハビタブルゾーン (Kopparapu et al. 2013, 2014)が計算でき、保守的なハビタブルゾーン (conservative habitable zone)は 1,19 - 2.09 AUの間、楽観的なハビタブルゾーン (optimistic habitable zone)は 0.94 - 2.21 AUである。
一番外側のケプラー68dは大部分が保守的なハビタブルゾーンの内部を公転する軌道であるが、離心率が大きいため、遠点では保守的なハビタブルゾーンの中間程度、近点では保守的なハビタブルゾーンの内縁より内側へ出る。(楽観的なハビタブルゾーンの内部)

惑星系の軌道安定性

Mercury Integrator Package (Chambers 1999)を用いてN体計算をし、軌道の安定性の評価を行った。

外側の惑星の軌道傾斜角を 0° - 90°まで 1°ずつ変えて軌道計算を行った。その結果、5° - 90°までは全て安定であった。5°未満の場合は、内側の惑星の軌道が不安定になる確率が高くなった。
これは、軌道傾斜角が小さくなると外側惑星の質量が増すことと関係している。
(※外側の惑星は視線速度法による発見であるため、最小質量 Msiniしか判明していない。Msini = 0.947木星質量であるため、真の質量は M = 0.947木星質量/sini となり、iが小さくなると真の質量も大きくなる)

ケプラー68系内での地球型惑星の存在可能性

この系内に地球質量惑星が安定して存在できる領域があるかどうかのN体計算を行った。軌道長半径を 0.1 - 3 AUまで振って 1000個の計算を行った。

外側の惑星の軌道離心率は 0.18、軌道長半径は 1.4 AUであるため、ハビタブルゾーン内は大部分の領域で不安定であった。ケプラー68dは近点が 1.15 AU、遠点が 1.65 AUであるため、この結果は驚きではない。

ただし、ケプラー68dとの軌道共鳴になる軌道の周囲は安定の島が存在する。4:5, 3:4, 2:3, 3:5平均運動共鳴の部分がその安定の島である。特に、1.8 - 1.9 AUの領域に比較的広い安定の島があり、これは 2:3平均運動共鳴の位置に相当する。この軌道は保守的なハビタブルゾーン内に位置している。

仮にこの位置に地球質量の惑星が存在した場合、視線速度は ~ 6 cm s-1となり、現在の観測限界以下である。さらにトランジット深さも ~ 55 ppmであり、軌道長半径が 1.85 AUの場合は軌道周期が 880日であり、こちらも検出は厳しい。

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.03063
Kurokawa & Inutsuka (2015)
On the Radius Anomaly of Hot Jupiters: Reexamination of the Possibility and Impact of Layered Convection
(ホットジュピターの半径異常について:層対流の可能性と影響の再検討)

概要

観測からは、多くのホットジュピターが理論的に予測されるよりも異常に大きな半径を持つことが分かっている。この半径異常を説明するための説として、組成の不均質による層対流 (layered convection)が提案されている。この層対流の影響の再検討を行うため、線型解析に基づく判定条件を用いて、進化の各タイムステップでの対流の状態を決めることによって進化の計算を行った。

その結果、重元素の単調な勾配を持つケースでは、組成不均質の効果は限定的であることが判明した
ホットジュピターの形成から 1 Gyrの間は層対流は発達せず、代わりに全体的な対流 (overturning convection)が発達する。弾ねう温度勾配よりも急な温度勾配は、Ledouxの安定条件の安定な状態で制限される。重元素が増加した効果は、組成不均質による半径収縮の遅れの効果を相殺する。

さらに、層対流を人工的に入れた場合も、ホットジュピターの半径異常を説明するためには非常に薄い対流の層 (~ 10 - 103 cm)が必要である。このような非常に薄い層を持つ対流の長時間安定性は更なる研究が必要である。

従ってこの研究での判定条件が正しければ、単調な重元素分布の勾配だけではホットジュピターの異常半径の説明は難しい。

ホットジュピターの半径異常

複数のモデル

多くのホットジュピターは、水素とヘリウムからなるガス惑星のモデルが予測するよりも大きい半径を持っている (Baraffe et al. 2010, 2014など)。この半径異常を説明するメカニズムとしては複数の提案がある。この結果は大きく 3種類に分けられる。

・恒星の入射フラックスによって駆動されるもの (Showman & Guillot 2002など)
・潮汐によるもの (Bodenheimer et al. 2001など)
・収縮の遅れによるもの (Burrows et al. 2007, Chabrier & Baraffe 2007など)

系外惑星の観測の統計からは、半径異常と中心星からの入射フラックスには相関があることが分かっている (Demory & Seager 2011, Weiss et al, 2013)。しかし半径異常を説明するためのプロセスに関しては未だにコンセンサスが得られていない。

組成不均質と層対流

惑星内部での層対流が、ガス惑星の収縮を遅らせるというモデルが提案されている (Chabrier & Baraffe 2007)。このモデルでは、惑星内部での組成の不均質が、大きいスケールでの対流の発生を阻害するという状況を想定している。代わりに、拡散界面 (diffusive interface)によって分割された層対流が形成されるとする (Radko 2003, 2005など)。非効率的な熱輸送が超断熱的な温度勾配を作り、惑星の収縮が遅れる。

Chabrier & Baraffe (2007)では、不均一な惑星内部での層対流が、ホットジュピターの半径異常を説明すると提案した。また Leconte & Chabrier (2012, 2013)では、太陽系のガス惑星でもこのメカニズムが働いていると提案されている。このモデルでは、ガス惑星の重元素量はこれまで想定されていた量よりも 30 - 60%多い (Leconte & Chabrier 2012)。またこのメカニズムで、土星の光度問題を解決できるとした (Leconte & Chabier 2013)。

計算モデル

惑星は、1次元の静水圧平衡の式を Henyey法を用いて解いている。
また、輻射を受けている大気の解析モデル (Guillot 2010)を、オパシティには Freedman et al. (2008)のロスランド平均オパシティを用いている。
1 Mbar以上の領域では、conductive opacityに Potekhin (1999)、水素・ヘリウムの状態方程式は Saumon et al. (1995)、重元素に関しては SESAME EOS for water (Lyon & Johnson 1992)を用いている。

結果

惑星内部での対流の状態を、単調な組成勾配を持つ内部構造のホットジュピターにおいて自己無矛盾に解いた結果、層対流は初めの 1 Gyrの間発達せず、組成の不均質による惑星半径への効果は限定的であることが判明した。層対流は初期の段階では存在しないため、層の厚みの仮定は進化に影響を与えない。

そのため、少なくとも単調な組成勾配を持つ場合に関しては、組成の不均質だけでホットジュピターの半径異常を説明することは困難であると考えられる。

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arXiv:1511.02526
Currie et al. (2015)
Resolving the HD 100546 Protoplanetary System with the Gemini Planet Imager: Evidence for Multiple Forming, Accreting Planets
(Gemini Planet Imagerによる HD 100546原始惑星系の解像:複数の形成中・集積中の惑星の証拠)

概要

Gemini Planet ImagerのHバンドでの、HS 100546の撮像観測、分光観測、偏光観測を行った。この天体は、およそ 10 Myrの若い天体である。最近、赤外線領域で光る、大きな軌道長半径を持つ木星型惑星 (あるいはより重い惑星)である HD 100546bが発見されている。軌道間隔はおよそ 50 AU、質量の推定値は 1 - 10木星質量である (Currie et al. 2014, Quanz et al. 2013, 2015)。

また、COの回転振動遷移の波長の観測から、円盤内側の空洞での若い惑星の存在が示唆されている。

今回の偏光観測では、円盤内側の空洞を解像し、赤外線熱放射の渦状腕の存在を確認した。また、新たに別の渦状腕を発見した。さらに HD 100546bの存在も確認した。この惑星の点源の観測から、この惑星は "赤い" ことが示唆される。これは、若く、大気中に雲を多く持つ大型の木星型惑星であることを示唆する結果である。しかしこの観測結果は、惑星の周囲の円盤から惑星への降着を示すものである可能性もある。

さらに、中心星から 14 AU程度の距離には、点源のようなソースを発見した。この系の天体である場合、この "c" の質量は 10 - 20木星質量と推定される。

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arXiv:1511.02837
Strugarek et al. (2015)
Magnetic games between a planet and its host star: the key role of topology
(主星と惑星の間のmagnetic games:トポロジーの役割)

概要

恒星と、恒星に近接した軌道を持つ惑星の磁気的な相互作用は、系からの放射の増光の原因となっているという主張がある。また惑星軌道の永年進化とも関連がある事が示唆されている。

中心星近傍の惑星は、一般に恒星風中の "sub-Alfvenic領域" (アルフヴェン速度よりも遅い領域)を公転している。そのため、恒星と惑星の間では効率的なエネルギー・角運動量の輸送ができる。ここでは、この恒星と惑星との間の相互作用を、3次元・大局的・圧縮性の磁気流体力学シミュレーションを用いてモデル化した。モデル化に際しては、自己整合的な恒星風の中を公転している惑星を想定した。磁場を持つ惑星に注目し、代表的な3つの磁場構造を考慮してモデル化を行った。

その結果、磁気的な相互作用に起源を持つポインティングフラックスは、系からの放射の増光のエネルギーソースとなり得ることが分かった。またこのフラックスは ~ 1019 Wになることを確認した。また、中心星近傍の惑星は、十分に強い恒星風磁場との磁気トルクによって軌道移動する。磁気的な相互作用のトポロジーは、磁気トルクを生み出す磁気的な障害の形状に大きな影響を与える。その結果、磁気的な相互作用のトポロジーの変化によって、惑星にはたらく磁気トルクはおよそ 1桁変化する。

惑星と恒星の磁気的相互作用

これまでに発見されている系外惑星の中で、34%は中心星に非常に近く、中心星半径の 20倍以内の距離を公転している。そのため惑星は中心星と強く相互作用していると予想される(Cuntz et al. 2000など)。この相互作用は観測的にも確認できると考えられる。

この相互作用には、潮汐・磁場・輻射などのプロセスがある。実際に、幾つかの系では観測報告がある(Shkolnik et al. 2008)。特に、HD 189733bの観測では、遠紫外線での増光は惑星から中心星への物質の降着によるものだと示唆されている(Pillitteri et al. 2015)。また WASP-18のX線放射の驚くべきほどの欠乏は、同じく惑星と恒星との間の相互作用によるものと考えられているが、その詳細な機構は不明である (Pillitteri et al. 2014)。
惑星の影響による、恒星彩層やコロナからのX線放射の増光や欠乏は変動性が大きい。

また、系外惑星の統計的な分布でも興味深い特徴があることが分かっている。例えば、中心星近傍に惑星を持つ恒星の自転は、そのような惑星を持たない恒星よりも速い傾向がある (Pont 2009)。これは後に Maxted et al. (2015)でも確認された。Pont (2009)ではこの傾向は潮汐によって引き起こされるとしているが、この説明に対しては疑問が持たれている(Maxted et al. 2015など)。これは、観測から期待される潮汐力の大きさと、恒星の自転速度と年齢との関係性の以上には相関が見られないからである。

また、McQuillan et al. (2013)と Lanza & Shkolnik (2014)は、ケプラーのデータを用いて、高速自転星周りには中心星近傍の惑星が少ないと報告した。
これらのどちらも角運動量の輸送に原因があると考えられるが、その詳細は不明である。

恒星と惑星の間の磁気的な相互作用による磁気トルクは、惑星の軌道移動の原因となり得る (Laine et al. 2008など)。また、恒星の自転速度の加速の原因ともなり得る (Cohen et al. 2010など)。反対に、高速自転星まわりでは磁気トルクが自転速度を減速する効果があるが、この効果はいわゆる若い恒星の角運動量問題の説明には不十分である (Bouvier & Cebron 2015)。

数値計算

計算には PLUTOコードを使用している (Mignone et al. 2007)。3次元の理想磁気流体力学計算を行った。
恒星風についてはシンプルなモデルを構築し、コロナ加熱のメカニズム (Suzuki & Inutsuka 2006)は考慮していない。

惑星の磁場については、恒星風の磁場と平行のもの、反平行のもの、垂直のものの3つを考慮した。

結果

磁場が平行の場合、惑星の磁場は周囲を取り巻く恒星風の磁場に対して一部が開いた状態になっており、恒星と惑星は磁場を介して接続している。この形状は、効率的な角運動量輸送を行う原因となる磁気張力のもととなる。

今回のシミュレーションのケースでは、惑星は角運動量を失い内側へ移動した。磁場が平行な場合、軌道移動のタイムスケールは 100 - 1000 Myrであった (T-Tauri星まわりの場合)。そのため、磁気的な相互作用は若い中心星近傍周りの惑星に対して重要である。

磁場が反平行の場合、惑星磁場は周囲の恒星風磁場に対して完全に閉じている。そのため、磁気トルクはコロナのプラズマが磁気券の断面積に当たることによって生じる。従って磁気的相互作用を起こす領域も小さくなり、磁気トルクは磁場が平行なケースに比べて 14倍低下した。

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