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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1901.08073
Allart et al. (2019)
High-resolution confirmation of an extended helium atmosphere around WASP-107b
(WASP-107b まわりの広がったヘリウム大気の高分散での確認)
最近,近赤外線の準安定ヘリウム三重項 (10833 Å) がいくつかの系外惑星で広がった熱圏の存在を明らかにし,惑星大気の蒸発の探査への新しい観測ウィンドウが開かれた.
ここでは,ハッブル宇宙望遠鏡の WFC3 を用いた観測で初めてヘリウムの吸収特徴がスペクトル分解されたウォームサターン WASP-107b に着目する.Calar Alto 天文台の 3.5 m 望遠鏡に設置された CARMENES 高分散分光器を用いて,この惑星のトランジットを観測した.
その結果,トランジットの最中に惑星の静止座標系で 5.54 ± 0.27% (20σ) のヘリウムの吸収超過が検出された.この検出はハッブル宇宙望遠鏡で検出されていた特徴と一致するものである.吸収特徴はスペクトル線の青い側で超過吸収を見せており,これは He I 原子がこの惑星の大気から散逸していることを示唆している.
三次元 EVE コードを,用いてヘリウム吸収スペクトルの時系列データの解釈を行った.
今回の観測は,惑星のロッシュローブの半分を埋める広がった熱圏の存在と,準安定ヘリウムの散逸率が 106 g s-1 のオーダーであり,これによって維持されている大きな外気圏の尾の組み合わせによって説明できる.しかしこのシナリオでは,観測と合わせるためには高層大気は予想よりも少ない光電離と輻射圧にさらされていないといけない.
今回の観測では,この惑星の大気中のヘリウムの存在が高い信頼度で確認された.この惑星のヘリウムの特徴は,宇宙からも地上からも検出されたことになる.地上からの高分散シグナルの観測は,高層大気の空間的そして力学的な構造に関する詳細な情報をもたらす.またシミュレーションではこの惑星の He I の特徴は惑星の熱圏と外気圏の両方を探れることを示唆しており,この特徴は系外惑星の高層大気の堅牢な探査手段であることを確立した.近赤外光分散分光器 (CARMENES, SPIRou, NIRPS) は系外惑星の熱圏と外気圏に関する統計的な理解をヘリウム三重項の特徴を介して届けてくれる.
より最近では,ウォームネプチューン GJ 436b (Ehrenreich et al. 2015) や GJ 3470b (Bourrier et al. 2018) でもさらに大きい水素の外気圏が検出されている.
Lyα 線は大気の最外層を探るのに適した波長であるが,紫外線波長における恒星の連続放射成分が少ないことと,星間物質による吸収の影響のため,太陽に近い系外惑星系でしか観測できないという難点がある.
この波長は,最近いくつかの系外惑星で検出されている.ウォームサターン WASP-107b (Spake et al. 2018),ホットジュピター WASP-69b と HD 189733b (Nortmann et al. 2018,Salz et al. 2018),小さいウォームネプチューン HAT-P-11b (Allart et al. 2018,Mansfield et al. 2018) である.WASP-107b を除く全惑星は,高分散の CARMENES を用いて観測されている.
WASP-107b の質量は海王星の 2 倍だが半径は木星に似ており,密度の低い系外惑星の一つである (0.19 ± 0.03 g cm-3).惑星大気からは水 (Kreidberg et al. 2018) とヘリウム (Spale et al. 2018) が検出されており,どちらもハッブル宇宙望遠鏡を使用した観測である.しかし,検出されたヘリウムの特徴は,G102 グリズムの低分散 (67Å) を用いた観測だったため分解されず,強く薄められたスペクトルしか得られていなかった.ヘリウムの吸収特徴の典型的な幅はおよそ 1Å である.そのため,この惑星のヘリウムの吸収特徴はあまり良く特徴付けされていなかった.
今回はこの惑星を CARMENES を用いて高分散トランジット分光観測した.
ロッシュローブから広がった高温の熱圏の 1 次元モデルでは,ヘリウムの吸収線は深く,惑星の静止座標系において対称な形状になることを予測した.一方で系外惑星から散逸する尾状の構造を持つ 3 次元モデルでは,浅い吸収線を持ち広いスペクトル範囲に広がった線になることが予測された.これは,ヘリウム原子が惑星から吹き流されるという力学的な影響によるものである.
CARMENES では高分散観測を行うため,これらの特徴を探ることができる.
その結果,ヘリウムの吸収特徴は非対称な形状をしており,惑星静止座標で見た場合に青い側に明確な超過吸収があった.このことは,惑星から散逸する大気は惑星から吹き流されて彗星の尾のような形状を形成していることを示唆している.このことは Spake et al. (2018) での 3 次元シミュレーションで予測されていたものである,
散逸する準安定ヘリウム原子への中心星からの輻射圧が非常に強いため,散逸する大気の尾は恒星-惑星の軸に揃った方向に形成され,地球から見て天球への投影はほぼ円形になることが示唆されていた.しかし測定された吸収は,この予測よりも短波長側に広がっていることが判明した.
ヘリウム三重項周辺の恒星のスペクトルを人工的にファクター 50 下げ,ヘリウム原子に働く輻射圧が恒星の重力より 50% 程度強いという状況にすると,観測データを再現することができた.しかしこのシナリオでは,散逸するヘリウム原子が晒される加速はゆっくりであり,観測された大気速度に到達する前にヘリウム原子が光電離されてしまうという問題がある.
近赤外線フラックスと同じ程度のファクターだけ恒星の XUV フラックスを下げることで,吸収分布の観測された形状は復元することができた.この場合準安定ヘリウムの寿命は輻射脱励起 (寿命 ~131 分) で左右され,光電離 (惑星の軌道長半径での元々の XUV フラックスの元では ~ 7 分の寿命) では左右されない.
この結果は,HD 85512 のスペクトルは WASP-107 のスペクトルの良い代用になっていないという可能性を示唆している.特に EUV 放射のスペクトルは経験的に導出したものを使用している.
しかし,WASP-107 の恒星の元素のスペクトルがヘリウム三重項の部分で期待される黒体放射よりも低いことに関して,特定の理由は見出だせない.そのため,別のメカニズムが観測結果を再現するためには必要であることを示唆している.例えば,未知の吸収源によって恒星からの輻射が遮蔽されている,散逸する大気の力学は他の散逸する各種との衝突に影響されている,恒星風粒子との衝突に影響されているなどといった効果である.
今回の地上からの CARMENES での単一のトランジット観測で,ヘリウムを高い信頼度で検出した.吸収の深さは 5.54 ± 0.27% (20σ) であった.吸収の特徴は惑星静止座標系でヘリウムの三重項の波長にあった.また,可視光よりも長いトランジットが検出され,ヘリウムが惑星起源であることと,Spake et al. (2018) の結果を確認した.
この惑星は,地上からと宇宙空間の両方の観測でヘリウムが検出された系外惑星としては HAT-P-11b に次いで二番目となる.
ヘリウムの吸収は時間的な非対称性は見せなかったものの,惑星の静止座標系での特徴は非対称であり,青い側の波長での吸収が超過していた.3D シミュレーションの結果を用いて,広がった熱圏が彗星の尾のような外気圏を維持していると考えると観測を説明出来ることを見出した.
このシナリオは,散逸するヘリウム原子は予想よりも減衰した輻射圧によって吹き流されている必要があり,これは別の物理メカニズムが働いていることを示唆する結果である.
高スペクトル分解能でのさらなる観測が,この惑星の高層大気の力学と構造を特徴付けるために必要だが,スペクトルの特徴に時間変動が存在する可能性の調査も同様に必要である (例えば HAT-P-11b,Allart et al. 2018).
しかし今回の観測は,このスペクトル線の他の系外惑星の観測とは対象的に,近赤外線ヘリウム三重項は熱圏と外気圏の両方をトレースすることができることを示している (Allart et al. 2018,Nortmann et al. 2018,Salz et al. 2018).新世代の近赤外線高分散分光器 (CARMENES,SPIRou,NIRPS) とその大規模な大気サーベイで,ヘリウム三重項は系外惑星の広がった大気の統計的な研究の新時代を開くだろう.
arXiv:1901.08073
Allart et al. (2019)
High-resolution confirmation of an extended helium atmosphere around WASP-107b
(WASP-107b まわりの広がったヘリウム大気の高分散での確認)
概要
系外惑星大気からの蒸発の探査は,系外惑星系の形成と進化を理解する上で重要である.紫外線での蒸発の主要なトレーサーは Lyα 遷移であり,中性水素の広がった外気圏を探ることができる.最近,近赤外線の準安定ヘリウム三重項 (10833 Å) がいくつかの系外惑星で広がった熱圏の存在を明らかにし,惑星大気の蒸発の探査への新しい観測ウィンドウが開かれた.
ここでは,ハッブル宇宙望遠鏡の WFC3 を用いた観測で初めてヘリウムの吸収特徴がスペクトル分解されたウォームサターン WASP-107b に着目する.Calar Alto 天文台の 3.5 m 望遠鏡に設置された CARMENES 高分散分光器を用いて,この惑星のトランジットを観測した.
その結果,トランジットの最中に惑星の静止座標系で 5.54 ± 0.27% (20σ) のヘリウムの吸収超過が検出された.この検出はハッブル宇宙望遠鏡で検出されていた特徴と一致するものである.吸収特徴はスペクトル線の青い側で超過吸収を見せており,これは He I 原子がこの惑星の大気から散逸していることを示唆している.
三次元 EVE コードを,用いてヘリウム吸収スペクトルの時系列データの解釈を行った.
今回の観測は,惑星のロッシュローブの半分を埋める広がった熱圏の存在と,準安定ヘリウムの散逸率が 106 g s-1 のオーダーであり,これによって維持されている大きな外気圏の尾の組み合わせによって説明できる.しかしこのシナリオでは,観測と合わせるためには高層大気は予想よりも少ない光電離と輻射圧にさらされていないといけない.
今回の観測では,この惑星の大気中のヘリウムの存在が高い信頼度で確認された.この惑星のヘリウムの特徴は,宇宙からも地上からも検出されたことになる.地上からの高分散シグナルの観測は,高層大気の空間的そして力学的な構造に関する詳細な情報をもたらす.またシミュレーションではこの惑星の He I の特徴は惑星の熱圏と外気圏の両方を探れることを示唆しており,この特徴は系外惑星の高層大気の堅牢な探査手段であることを確立した.近赤外光分散分光器 (CARMENES, SPIRou, NIRPS) は系外惑星の熱圏と外気圏に関する統計的な理解をヘリウム三重項の特徴を介して届けてくれる.
研究背景
系外惑星の大気散逸
系外惑星の大気は中心星の輻射を吸収して加熱され,流体力学的に流出する.水素は,紫外線の Lyα でホットジュピターから散逸しているのが初めて観測された.検出例として HD 209458b (Vidal-Madjar et al. 2003),HD 189733b (Lecavelier des Etangs et al. 2010) がある.また,散逸する大気は広がった彗星の尾のような構造を形成する.より最近では,ウォームネプチューン GJ 436b (Ehrenreich et al. 2015) や GJ 3470b (Bourrier et al. 2018) でもさらに大きい水素の外気圏が検出されている.
Lyα 線は大気の最外層を探るのに適した波長であるが,紫外線波長における恒星の連続放射成分が少ないことと,星間物質による吸収の影響のため,太陽に近い系外惑星系でしか観測できないという難点がある.
ヘリウムを用いた大気散逸の観測
一方で,準安定なヘリウム三重項の波長は,星間物質の吸収領域の外にある (Indriolo et al. 2009,真空中では 10832.1,10833.2 および 10833.3 Å),よってこの波長は高層大気の良いトレーサーとして使用できる (Seager& Sasselov 2000; Oklopcˇic ́ & Hirata 2018).この波長は,最近いくつかの系外惑星で検出されている.ウォームサターン WASP-107b (Spake et al. 2018),ホットジュピター WASP-69b と HD 189733b (Nortmann et al. 2018,Salz et al. 2018),小さいウォームネプチューン HAT-P-11b (Allart et al. 2018,Mansfield et al. 2018) である.WASP-107b を除く全惑星は,高分散の CARMENES を用いて観測されている.
WASP-107b について
WASP-107b (Anderson et al. 2017) はウォームサターンであり,0.11 木星質量,0.94 木星半径で,蒸発砂漠の上端にあたる半径を持つ.中心星 WASP-107 は K6 型星,惑星は 5.72 日周期で公転している.WASP-107b の質量は海王星の 2 倍だが半径は木星に似ており,密度の低い系外惑星の一つである (0.19 ± 0.03 g cm-3).惑星大気からは水 (Kreidberg et al. 2018) とヘリウム (Spale et al. 2018) が検出されており,どちらもハッブル宇宙望遠鏡を使用した観測である.しかし,検出されたヘリウムの特徴は,G102 グリズムの低分散 (67Å) を用いた観測だったため分解されず,強く薄められたスペクトルしか得られていなかった.ヘリウムの吸収特徴の典型的な幅はおよそ 1Å である.そのため,この惑星のヘリウムの吸収特徴はあまり良く特徴付けされていなかった.
今回はこの惑星を CARMENES を用いて高分散トランジット分光観測した.
観測結果とその解釈
高分散でのヘリウム吸収の検出
過去の観測ではヘリウムのスペクトルを分解できていなかったため,ハッブル宇宙望遠鏡でのヘリウムの検出データは,2 つの異なるモデルの両方でよくフィットできた.ロッシュローブから広がった高温の熱圏の 1 次元モデルでは,ヘリウムの吸収線は深く,惑星の静止座標系において対称な形状になることを予測した.一方で系外惑星から散逸する尾状の構造を持つ 3 次元モデルでは,浅い吸収線を持ち広いスペクトル範囲に広がった線になることが予測された.これは,ヘリウム原子が惑星から吹き流されるという力学的な影響によるものである.
CARMENES では高分散観測を行うため,これらの特徴を探ることができる.
その結果,ヘリウムの吸収特徴は非対称な形状をしており,惑星静止座標で見た場合に青い側に明確な超過吸収があった.このことは,惑星から散逸する大気は惑星から吹き流されて彗星の尾のような形状を形成していることを示唆している.このことは Spake et al. (2018) での 3 次元シミュレーションで予測されていたものである,
散逸する準安定ヘリウム原子への中心星からの輻射圧が非常に強いため,散逸する大気の尾は恒星-惑星の軸に揃った方向に形成され,地球から見て天球への投影はほぼ円形になることが示唆されていた.しかし測定された吸収は,この予測よりも短波長側に広がっていることが判明した.
シミュレーションとの比較
上記の特徴を調べるため,3 次元の EVE コードを用いて散逸する大気を計算した.計算に用いる恒星のスペクトルとして,WASP-107 の代用として K6 星の HD 85512 のスペクトルを使用した.しかしその結果,散逸する原子はシミュレーション中で高速に加速されてしまい,観測結果と一致しなかった.ヘリウム三重項周辺の恒星のスペクトルを人工的にファクター 50 下げ,ヘリウム原子に働く輻射圧が恒星の重力より 50% 程度強いという状況にすると,観測データを再現することができた.しかしこのシナリオでは,散逸するヘリウム原子が晒される加速はゆっくりであり,観測された大気速度に到達する前にヘリウム原子が光電離されてしまうという問題がある.
近赤外線フラックスと同じ程度のファクターだけ恒星の XUV フラックスを下げることで,吸収分布の観測された形状は復元することができた.この場合準安定ヘリウムの寿命は輻射脱励起 (寿命 ~131 分) で左右され,光電離 (惑星の軌道長半径での元々の XUV フラックスの元では ~ 7 分の寿命) では左右されない.
この結果は,HD 85512 のスペクトルは WASP-107 のスペクトルの良い代用になっていないという可能性を示唆している.特に EUV 放射のスペクトルは経験的に導出したものを使用している.
しかし,WASP-107 の恒星の元素のスペクトルがヘリウム三重項の部分で期待される黒体放射よりも低いことに関して,特定の理由は見出だせない.そのため,別のメカニズムが観測結果を再現するためには必要であることを示唆している.例えば,未知の吸収源によって恒星からの輻射が遮蔽されている,散逸する大気の力学は他の散逸する各種との衝突に影響されている,恒星風粒子との衝突に影響されているなどといった効果である.
結論
Spake et al. (2018) では,WASP-107b 大気中のヘリウム三重項の特徴が,単一のトランジットでハッブル宇宙望遠鏡を用いて検出された.ただしこの観測は低分解能であったため,スペクトル線の特徴は分解されておらず,惑星大気中のヘリウムの起源も不明確であった.今回の地上からの CARMENES での単一のトランジット観測で,ヘリウムを高い信頼度で検出した.吸収の深さは 5.54 ± 0.27% (20σ) であった.吸収の特徴は惑星静止座標系でヘリウムの三重項の波長にあった.また,可視光よりも長いトランジットが検出され,ヘリウムが惑星起源であることと,Spake et al. (2018) の結果を確認した.
この惑星は,地上からと宇宙空間の両方の観測でヘリウムが検出された系外惑星としては HAT-P-11b に次いで二番目となる.
ヘリウムの吸収は時間的な非対称性は見せなかったものの,惑星の静止座標系での特徴は非対称であり,青い側の波長での吸収が超過していた.3D シミュレーションの結果を用いて,広がった熱圏が彗星の尾のような外気圏を維持していると考えると観測を説明出来ることを見出した.
このシナリオは,散逸するヘリウム原子は予想よりも減衰した輻射圧によって吹き流されている必要があり,これは別の物理メカニズムが働いていることを示唆する結果である.
高スペクトル分解能でのさらなる観測が,この惑星の高層大気の力学と構造を特徴付けるために必要だが,スペクトルの特徴に時間変動が存在する可能性の調査も同様に必要である (例えば HAT-P-11b,Allart et al. 2018).
しかし今回の観測は,このスペクトル線の他の系外惑星の観測とは対象的に,近赤外線ヘリウム三重項は熱圏と外気圏の両方をトレースすることができることを示している (Allart et al. 2018,Nortmann et al. 2018,Salz et al. 2018).新世代の近赤外線高分散分光器 (CARMENES,SPIRou,NIRPS) とその大規模な大気サーベイで,ヘリウム三重項は系外惑星の広がった大気の統計的な研究の新時代を開くだろう.
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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1901.08471
Wittenmyer et al. (2019)
Truly eccentric. I. Revisiting eight single-eccentric planetary systems
(本当にエキセントリックである I.8 個の単一エキセントリック・プラネット系の再検討)
これらのうち,HD 7449,HD 65216,HD 89744,HD 92788 の 4 つの系で,さらなる長周期の天体が存在する兆候を発見した.
そのうち,HD 65216c は木星類似天体で軌道周期が 14.7 年,軌道離心率は e = 0.18,最小質量は 2 木星質量である.残りの候補天体については軌道情報は不完全である.
今回の結果は,新しいデータが参照可能になった時に,既知の系外惑星系の解析を再検討することの重要性を強調するものである.特に,問題となっているその系が実際には 2 つかそれ以上のほぼ円軌道での惑星を含んでいる場合や,サンプリングが少ないデータによって過去に単独のエキセントリック・プラネットの「偽陽性」の検出に繋がった場合は重要である.
arXiv:1901.08472
Wittenmyer et al. (2019)
Truly eccentric. II. When can two circular planets mimic a single eccentric orbit?
(本当にエキセントリックである II.どのような時に 2 つの円軌道惑星は 1 つの離心軌道のように見えるか?)
その様な結果については過去に実例があり,さらなるデータや新しい解析技術がそれまでに発生したシグナルを明らかにする.
ここでは,そのような混乱を招きうる 2 つの惑星からなる系である可能性がある範囲を探るために一連のシミュレーションを行った.
その結果,軌道離心率が 0.5 程度以上の単独のケプラー軌道は,円軌道にある 2 つの惑星という軌道配置によって偽装されることは実質的には無いことが判明した.この結果は,今日までに発見されている最も軌道離心率の大きい部類の惑星の信頼度を増すものである.
このような偽物の系が観測データに隠されていないかどうか判断するために,今後さらにデータが入手可能になるに連れ,やや離心率のある「確認済み」の系外惑星のカタログを再検討する価値があるだろう.
arXiv:1901.08471
Wittenmyer et al. (2019)
Truly eccentric. I. Revisiting eight single-eccentric planetary systems
(本当にエキセントリックである I.8 個の単一エキセントリック・プラネット系の再検討)
概要
最近発表された大規模なデータのアーカイブと新しい解析手法を用いて,単独のエキセントリック・プラネットのみを持つ惑星系 8 個の調査を行った.これらのうち,HD 7449,HD 65216,HD 89744,HD 92788 の 4 つの系で,さらなる長周期の天体が存在する兆候を発見した.
そのうち,HD 65216c は木星類似天体で軌道周期が 14.7 年,軌道離心率は e = 0.18,最小質量は 2 木星質量である.残りの候補天体については軌道情報は不完全である.
今回の結果は,新しいデータが参照可能になった時に,既知の系外惑星系の解析を再検討することの重要性を強調するものである.特に,問題となっているその系が実際には 2 つかそれ以上のほぼ円軌道での惑星を含んでいる場合や,サンプリングが少ないデータによって過去に単独のエキセントリック・プラネットの「偽陽性」の検出に繋がった場合は重要である.
arXiv:1901.08472
Wittenmyer et al. (2019)
Truly eccentric. II. When can two circular planets mimic a single eccentric orbit?
(本当にエキセントリックである II.どのような時に 2 つの円軌道惑星は 1 つの離心軌道のように見えるか?)
概要
系外惑星を探査する過程で,サンプリング密度の低いデータとノイズの多いデータから観測に対する可能な解を導く必要がある際は,離心軌道にある 1 つの惑星によるケプラー運動シグナルのように見えるものは,実際にはほぼ円軌道にある 2 つの惑星からの寄与によるものであるかもしれないという可能性を考慮する必要がある.その様な結果については過去に実例があり,さらなるデータや新しい解析技術がそれまでに発生したシグナルを明らかにする.
ここでは,そのような混乱を招きうる 2 つの惑星からなる系である可能性がある範囲を探るために一連のシミュレーションを行った.
その結果,軌道離心率が 0.5 程度以上の単独のケプラー軌道は,円軌道にある 2 つの惑星という軌道配置によって偽装されることは実質的には無いことが判明した.この結果は,今日までに発見されている最も軌道離心率の大きい部類の惑星の信頼度を増すものである.
このような偽物の系が観測データに隠されていないかどうか判断するために,今後さらにデータが入手可能になるに連れ,やや離心率のある「確認済み」の系外惑星のカタログを再検討する価値があるだろう.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1901.07034
Feliz et al. (2019)
A Multi-Year Search For Transits Of Proxima Centauri. II: No Evidence For Transit Events With Periods Between 1-30 Days
(プロキシマ・ケンタウリのトランジットの複数年の探査 II:1-30 日の周期を持つトランジットイベントの証拠はなし)
Anglada-Escude ́ et al (2016) では,視線速度法によりプロキシマ・ケンタウリの周りに系外惑星プロキシマb が発見されている.軌道周期は 11.186 日である.この惑星の先験的なトランジット確率は 1.5% である.もしトランジットしていた場合,予測されるトランジット深さは 5 ミリ等級である.
Blank et al. (2018) では 96 セットの光度曲線を用いて,過去に報告されたトランジットの暫定的な検出から予測されるトランジット天体暦とかぶる範囲内を解析した.その結果,11.186 日の軌道周期に対応するトランジットのシグナルはデータ中には見られなかった.
ここではその過去の解析を拡張した.想定される軌道周期が 1-30 日の範囲内で,262 セットの高品質な光度曲線を用いて,周期的なトランジット的なイベントを探した.また惑星のトランジットを模した一連のインジェクションを行い,我々のデータが 5 ミリ等級のトランジット深さを検出するのに十分な感度であることを示す.
この解析でトランジットが存在した場合に発見できる割合は,軌道周期 1 日の場合は ~100%,20 日では ~20% である.
解析の結果,5 日周期よりも短く,5 ミリ等級よりも大きな全てのトランジットは実質的に否定できる.プロキシマb のトランジットは実際には発生しているが,検出を逃れたという可能性は否定できない.しかし,軌道周期 5 日未満で深さが 3 ミリ等級を超える全てのトランジットは実質的に否定された.
arXiv:1901.07034
Feliz et al. (2019)
A Multi-Year Search For Transits Of Proxima Centauri. II: No Evidence For Transit Events With Periods Between 1-30 Days
(プロキシマ・ケンタウリのトランジットの複数年の探査 II:1-30 日の周期を持つトランジットイベントの証拠はなし)
概要
2006 年から 2017 年にかけて,小さい望遠鏡のグローバルネットワークでプロキシマ・ケンタウリを 329 回観測し,光度曲線を取得した.Anglada-Escude ́ et al (2016) では,視線速度法によりプロキシマ・ケンタウリの周りに系外惑星プロキシマb が発見されている.軌道周期は 11.186 日である.この惑星の先験的なトランジット確率は 1.5% である.もしトランジットしていた場合,予測されるトランジット深さは 5 ミリ等級である.
Blank et al. (2018) では 96 セットの光度曲線を用いて,過去に報告されたトランジットの暫定的な検出から予測されるトランジット天体暦とかぶる範囲内を解析した.その結果,11.186 日の軌道周期に対応するトランジットのシグナルはデータ中には見られなかった.
ここではその過去の解析を拡張した.想定される軌道周期が 1-30 日の範囲内で,262 セットの高品質な光度曲線を用いて,周期的なトランジット的なイベントを探した.また惑星のトランジットを模した一連のインジェクションを行い,我々のデータが 5 ミリ等級のトランジット深さを検出するのに十分な感度であることを示す.
この解析でトランジットが存在した場合に発見できる割合は,軌道周期 1 日の場合は ~100%,20 日では ~20% である.
解析の結果,5 日周期よりも短く,5 ミリ等級よりも大きな全てのトランジットは実質的に否定できる.プロキシマb のトランジットは実際には発生しているが,検出を逃れたという可能性は否定できない.しかし,軌道周期 5 日未満で深さが 3 ミリ等級を超える全てのトランジットは実質的に否定された.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1901.07040
Garhart et al. (2019)
Statistical Characterization of Hot Jupiter Atmospheres using Spitzer's Secondary Eclipses
(スピッツァー二次食を用いたホットジュピター大気の統計的特徴付け)
また,ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡での重要ターゲットである WASP-62b も含んでいる.
WASP-62b はやや軌道離心率があり,e cosω = 0.00614 と測定された.また HAT-P-13b と WASP-14b の軌道離心率を確認した.
残りの惑星はそれぞれ円軌道と仮定した場合と整合的だが,今回のサンプル中の軌道周期 1-5 日の範囲内で,軌道離心率が軌道周期に伴って増加する統計的な証拠を見出した.
惑星の昼側の輝度温度からは,Cowan & Agol (2011) の手法に従って,アルベドと熱再分配に関する情報が得られる.
その結果,昼側の最大温度が ~2200 K を超える惑星は,アルベドがゼロで恒星の輻射の分布が昼側の半球に一様であるのと整合的であることが分かった.
最も興味深い結果は,これらのホットジュピターの放射スペクトルと黒体放射の間の系統的な違いを検出したことである.観測された輝度温度の比,Tb(4.5)/Tb(3.6) は平衡温度に伴い 1 K あたり 98 ± 26 ppm 上昇した.これは今回の温度範囲 800-2500 K の全体に渡って見られる傾向である.
この広い温度範囲に渡って,輝度温度の比の傾向を予測している理論モデルは存在しない.これは,実際の惑星大気とモデルを比較した際の大気温度分布の構造的な違いに起因するものだと考える.
arXiv:1901.07040
Garhart et al. (2019)
Statistical Characterization of Hot Jupiter Atmospheres using Spitzer's Secondary Eclipses
(スピッツァー二次食を用いたホットジュピター大気の統計的特徴付け)
概要
スピッツァー宇宙望遠鏡を用いた,3.6, 4.5 µm での 36 個のトランジットするホットジュピターの 78 回の二次食深さの測定結果について報告する.これらのうち,27 個の惑星での結果は新しいものであり,この中には KELT-7b や WASP-87b,WASP-76b,WASP-64b といった強く輻射を受ける惑星を含む.また,ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡での重要ターゲットである WASP-62b も含んでいる.
WASP-62b はやや軌道離心率があり,e cosω = 0.00614 と測定された.また HAT-P-13b と WASP-14b の軌道離心率を確認した.
残りの惑星はそれぞれ円軌道と仮定した場合と整合的だが,今回のサンプル中の軌道周期 1-5 日の範囲内で,軌道離心率が軌道周期に伴って増加する統計的な証拠を見出した.
惑星の昼側の輝度温度からは,Cowan & Agol (2011) の手法に従って,アルベドと熱再分配に関する情報が得られる.
その結果,昼側の最大温度が ~2200 K を超える惑星は,アルベドがゼロで恒星の輻射の分布が昼側の半球に一様であるのと整合的であることが分かった.
最も興味深い結果は,これらのホットジュピターの放射スペクトルと黒体放射の間の系統的な違いを検出したことである.観測された輝度温度の比,Tb(4.5)/Tb(3.6) は平衡温度に伴い 1 K あたり 98 ± 26 ppm 上昇した.これは今回の温度範囲 800-2500 K の全体に渡って見られる傾向である.
この広い温度範囲に渡って,輝度温度の比の傾向を予測している理論モデルは存在しない.これは,実際の惑星大気とモデルを比較した際の大気温度分布の構造的な違いに起因するものだと考える.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1901.07250
Leleu et al. (2019)
Co-orbital exoplanets from close period candidates: The TOI-178 case
(周期が近い候補天体中の共軌道系外惑星:TOI-178 の場合)
ここでは,共軌道系外惑星のシグナルの調査を行った.2 つの惑星候補天体が恒星を同じ様な軌道で周回している場合のトランジットサーベイ結果を元に調査した.このような惑星候補の組は,ヒル安定ではないため偽陽性として取り除かれている.しかし軌道の類似性は,馬蹄形軌道や長い秤動周期を持つオタマジャクシ軌道の共軌道配置でも説明することができる.この縮退は,お互いの惑星のトランジットタイミング変化 (Transit timing variation, TTV) を考慮することで解くことができる.
ここでは 3 つの惑星候補を持っている系 TOI-178 に着目する.この恒星の 2 つの外側の惑星候補は類似した軌道周期を持っており,軌道位相がほぼ π/3 だけ離れている.これは TESS の Sector 2 の観測で発見されたものである.公表された軌道に基づくと,この系が長期的に安定であるためには 2 つの近い軌道周期を持つ惑星は共軌道である必要がある.
ここでの独立したトレンド除去とトランジットの探索から,TESS のパイプラインで発見された 3:2:2 に近い軌道共鳴鎖の配置を確認し,この配置が観測結果を説明する解としてわずかに好ましいことを見出した.しかし 4:3:2 の軌道共鳴配置である可能性も排除できない.
さらに,これが共軌道惑星であるというシナリオに基づいて詳細な調査を行った.その結果,内側の惑星が 2:3 の平均運動共鳴のすぐ外側にいることの影響があるにもかかわらず,共軌道配置の場合は様々な惑星質量において数十億年のタイムスケールで軌道が安定であることが判明した.これは共軌道がトロヤ軌道でも馬蹄形軌道のどちらでも同じ結果となった.
この配置の場合,数百日の周期で大きな TTV が発生することが予測される.また TTV の測定からどのように惑星質量を復元するかについても示す.
共軌道天体の大部分では,片方に比べてもう一方の質量は無視できるほど小さいが,土星の共軌道衛星であるヤヌスとエピメテウスの場合,両者の質量比はわずか 3.6 である.トロヤ系外惑星も,両者の合計質量が中心星の 27 分の 1 より小さければ恒星の寿命と同程度の期間安定であることが示されている (Gascheau 1843).このことは,太陽系で最も重い惑星である木星と土星のペアであっても,同じ軌道長半径で経度が 60° 違う位置で安定して秤動できることを示唆している.
トロヤ惑星は,惑星系形成の副産物として形成しうると考えられている (Laughlin & Chambers 2002).しかし,原始惑星系円盤の中でのその様な配置の進化が複雑であるため,共軌道系外惑星に期待される特徴 (たとえば秤動の振幅) などへはほとんど制約が与えられていない.
共軌道系外惑星の検出は,その他の軌道配置との間に縮退があるため難しい.また,同じ軌道上にある両惑星のトランジットを検出するためには,2 つが同一平面に近い軌道をとっている必要がある.
ケプラー132 とケプラー271,ケプラー730 の複数惑星系では,近い軌道周期を持つ惑星の存在が初めて報告されたが,その後のより詳細な解析では共軌道惑星である可能性は否定され,ケプラー132 の場合はそれぞれの惑星が連星の異なる恒星を公転していたことが判明している,またケプラー271 と ケプラー730 は,2:1 平均運動共鳴にあるとするシナリオが好ましい (Lissauer et al. 2011,2014)
arXiv:1901.07250
Leleu et al. (2019)
Co-orbital exoplanets from close period candidates: The TOI-178 case
(周期が近い候補天体中の共軌道系外惑星:TOI-178 の場合)
概要
太陽系内には共軌道天体が存在し,また惑星系形成モデルでは共軌道惑星の形成が予測されているにもかかわらず,これまでに共軌道系外惑星 (トロヤ惑星とも呼称) は発見されていない.ここでは,共軌道系外惑星のシグナルの調査を行った.2 つの惑星候補天体が恒星を同じ様な軌道で周回している場合のトランジットサーベイ結果を元に調査した.このような惑星候補の組は,ヒル安定ではないため偽陽性として取り除かれている.しかし軌道の類似性は,馬蹄形軌道や長い秤動周期を持つオタマジャクシ軌道の共軌道配置でも説明することができる.この縮退は,お互いの惑星のトランジットタイミング変化 (Transit timing variation, TTV) を考慮することで解くことができる.
ここでは 3 つの惑星候補を持っている系 TOI-178 に着目する.この恒星の 2 つの外側の惑星候補は類似した軌道周期を持っており,軌道位相がほぼ π/3 だけ離れている.これは TESS の Sector 2 の観測で発見されたものである.公表された軌道に基づくと,この系が長期的に安定であるためには 2 つの近い軌道周期を持つ惑星は共軌道である必要がある.
ここでの独立したトレンド除去とトランジットの探索から,TESS のパイプラインで発見された 3:2:2 に近い軌道共鳴鎖の配置を確認し,この配置が観測結果を説明する解としてわずかに好ましいことを見出した.しかし 4:3:2 の軌道共鳴配置である可能性も排除できない.
さらに,これが共軌道惑星であるというシナリオに基づいて詳細な調査を行った.その結果,内側の惑星が 2:3 の平均運動共鳴のすぐ外側にいることの影響があるにもかかわらず,共軌道配置の場合は様々な惑星質量において数十億年のタイムスケールで軌道が安定であることが判明した.これは共軌道がトロヤ軌道でも馬蹄形軌道のどちらでも同じ結果となった.
この配置の場合,数百日の周期で大きな TTV が発生することが予測される.また TTV の測定からどのように惑星質量を復元するかについても示す.
軌道を共有する惑星
系外惑星の中では,1 次や 2 次の平均運動共鳴に入っている惑星の組,あるいはそれに近い状態にあるものが多数発見されている.しかし 0 次の平均運動共鳴,つまりトロヤ群もしくは共軌道配置にあるものはこれまでに発見されていない.このような天体は太陽系ではたくさん見られ,その例が木星や海王星のトロヤ群小惑星や,いくつかの土星の衛星である.共軌道天体の大部分では,片方に比べてもう一方の質量は無視できるほど小さいが,土星の共軌道衛星であるヤヌスとエピメテウスの場合,両者の質量比はわずか 3.6 である.トロヤ系外惑星も,両者の合計質量が中心星の 27 分の 1 より小さければ恒星の寿命と同程度の期間安定であることが示されている (Gascheau 1843).このことは,太陽系で最も重い惑星である木星と土星のペアであっても,同じ軌道長半径で経度が 60° 違う位置で安定して秤動できることを示唆している.
トロヤ惑星は,惑星系形成の副産物として形成しうると考えられている (Laughlin & Chambers 2002).しかし,原始惑星系円盤の中でのその様な配置の進化が複雑であるため,共軌道系外惑星に期待される特徴 (たとえば秤動の振幅) などへはほとんど制約が与えられていない.
共軌道系外惑星の検出は,その他の軌道配置との間に縮退があるため難しい.また,同じ軌道上にある両惑星のトランジットを検出するためには,2 つが同一平面に近い軌道をとっている必要がある.
ケプラー132 とケプラー271,ケプラー730 の複数惑星系では,近い軌道周期を持つ惑星の存在が初めて報告されたが,その後のより詳細な解析では共軌道惑星である可能性は否定され,ケプラー132 の場合はそれぞれの惑星が連星の異なる恒星を公転していたことが判明している,またケプラー271 と ケプラー730 は,2:1 平均運動共鳴にあるとするシナリオが好ましい (Lissauer et al. 2011,2014)
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